民法
全24記事。条文ごとに、キャラクター対話・用語カード・資格横断の類題を収録しています。
総則
- 第1条民法第1条:基本原則(公共の福祉・信義則・権利濫用)民法1000条余りの出発点にある3つの原則。私権は公共の福祉に適合すること、権利行使と義務履行は信義に従い誠実に行うこと、権利の濫用は許されないことを定めています。
- 第2条民法第2条:解釈の基準民法は、個人の尊厳と両性の本質的平等を旨として解釈しなければなりません。条文の読み方そのものを縛る、たった一文の条文です。
- 第3条民法第3条:権利能力(私権の享有は出生に始まる)人は生まれた瞬間に、権利を持ち義務を負う資格を得ます。外国人も原則として私権を享有します。胎児がどう扱われるかは、民法の別の条文が例外を置いています。
- 第3条の2民法第3条の2:意思能力意思表示をした時に意思能力がなかったなら、その法律行為は無効です。年齢や審判で線を引く行為能力の制度と対になる、その土台にあたる条文です。
- 第4条民法第4条:成年年齢18歳をもって成年とします。たった一行の条文ですが、行為能力・婚姻・養親・遺言など、年齢で線を引く制度全体の起点になります。
- 第5条民法第5条:未成年者の法律行為未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意が必要で、同意なくした行為は取り消せます。ただし「単に権利を得、又は義務を免れる行為」と、処分を許された財産の処分は例外です。
- 第6条民法第6条:未成年者の営業の許可一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては成年者と同一の行為能力を持ちます。堪えられない事由があるときは、法定代理人が許可を取り消し、又は制限できます。
- 第7条民法第7条:後見開始の審判精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者について、家庭裁判所が後見開始の審判をすることができます。請求できる者は条文に列挙されています。
- 第8条民法第8条:成年被後見人及び成年後見人後見開始の審判を受けた者は成年被後見人となり、これに成年後見人が付されます。二つの呼び名がここで生まれ、以後の条文はこの言葉で書かれていきます。
- 第9条民法第9条:成年被後見人の法律行為成年被後見人の法律行為は取り消すことができます。ただし日用品の購入その他日常生活に関する行為は例外で、同意を得ていても取り消せる点が未成年者と決定的に違います。
- 第10条民法第10条:後見開始の審判の取消し民法7条の原因が消滅したときは、家庭裁判所は請求により後見開始の審判を取り消さなければなりません。「することができる」ではなく義務として書かれている点が要点です。
- 第11条民法第11条:保佐開始の審判事理を弁識する能力が著しく不十分である者について、家庭裁判所が保佐開始の審判をすることができます。後見の原因がある者は対象から外れる、というただし書が置かれています。
- 第12条民法第12条:被保佐人及び保佐人保佐開始の審判を受けた者は被保佐人となり、これに保佐人が付されます。民法8条と同じ形の、呼び名と保護者を決める一文です。
- 第13条民法第13条:保佐人の同意を要する行為等被保佐人が保佐人の同意を得なければならない行為を、1項が10号にわたって列挙します。審判による追加、同意に代わる許可、そして取消しまでを定めた、保佐制度の中心となる条文です。
- 第14条民法第14条:保佐開始の審判等の取消し民法11条本文の原因が消滅したときは、家庭裁判所は請求により保佐開始の審判を取り消さなければなりません。2項は13条2項で追加された同意事項の取消しを定めます。
- 第15条民法第15条:補助開始の審判事理を弁識する能力が不十分である者について補助開始の審判ができます。本人以外の者の請求によるときは本人の同意が必要で、必ず17条1項か876条の9第1項の審判とともにしなければなりません。
- 第16条民法第16条:被補助人及び補助人補助開始の審判を受けた者は被補助人となり、これに補助人が付されます。民法8条・12条と同じ形ですが、補助人の権限は審判で個別に決まる点が大きく違います。
- 第17条民法第17条:補助人の同意を要する旨の審判等補助人の同意権は、特定の法律行為について審判で定めてはじめて生じます。その対象は民法13条1項の行為の一部に限られ、本人以外の請求によるときは本人の同意も必要です。
- 第18条民法第18条:補助開始の審判等の取消し民法15条1項本文の原因が消滅したときは補助開始の審判を取り消さなければなりません。同意の審判と代理権の審判をすべて取り消す場合にも、補助開始の審判の取消しが義務づけられます。
- 第19条民法第19条:審判相互の関係後見・保佐・補助が同時にかからないよう、新しい審判をするときは前の審判を取り消さなければならないと定めます。制度を乗り換えるときの整理を一手に引き受ける条文です。
- 第20条民法第20条:制限行為能力者の相手方の催告権取り消されるかもしれない不安定な立場に置かれた相手方に、確答を求める催告権を与える条文です。誰に催告したかで、返事がないときの効果が追認と取消しに分かれます。
- 第93条民法第93条:心裡留保「冗談で売ると言った」場合、その約束は有効なのか。本心でないと分かっていながらした意思表示=心裡留保のルールを整理します。
- 第94条民法第94条:虚偽表示相手方と示し合わせてした「ウソの契約」は無効です。ただし、その外観を信じた善意の第三者には無効を主張できません。当事者間の無効と第三者保護の関係を整理します。