民法第512条・債権

民法第512条:相殺の充当

別段の合意がなければ相殺適状になった時期の順に消滅し、足りないときは弁済の充当の規定が準用されます。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

お互いに複数の債権があるとき、どれとどれが相殺されるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

相殺適状になった時期の順じゃ。民法512条——弁済の充当とは別の物差しから始まるぞ。

1項:相殺適状になった時期の順序

債権者が債務者に対して有する一個又は数個の債権と、債権者が債務者に対して負担する一個又は数個の債務について、債権者が相殺の意思表示をした場合において、当事者が別段の合意をしなかったときは、債権者の有する債権とその負担する債務は、相殺に適するようになった時期の順序に従って、その対当額について相殺によって消滅する。

要素 条文の言葉
前提 当事者が別段の合意をしなかったとき
順序 相殺に適するようになった時期の順序に従って
範囲 その対当額対当額たいとうがく相殺によって消滅する、双方の債務が重なり合う額のこと(民法505条1項)。用語ページを見る →について相殺によって消滅する

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

合意が最優先なんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

民法490条と同じ構えじゃな。 充当の話は、まず当事者の合意から始まる。

そして合意がなければ「相殺適状相殺適状そうさいてきじょう二人が互いに同種の目的を有する債務を負担し、双方の債務が弁済期にあるなど、相殺ができる状態にあること(民法505条1項)。用語ページを見る →になった時期の順」——古いものから消えていく。民法506条2項が相殺適状の時にさかのぼらせておったのと同じ時点を物差しにしておるのじゃ。筋が通っておるのう。

2項:自働債権が足りないとき

前項の場合において、相殺をする債権者の有する債権がその負担する債務の全部を消滅させるのに足りないときであって、当事者が別段の合意をしなかったときは、次に掲げるところによる。

一 債権者が数個の債務を負担するとき(次号に規定する場合を除く。)は、第四百八十八条第四項第二号から第四号までの規定を準用する。 二 債権者が負担する一個又は数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべきときは、第四百八十九条の規定を準用する。(後略)

号 場面 準用される規定
一 数個の債務を負担するとき 民法488条4項二号〜四号(法定充当法定充当ほうていじゅうとう当事者のいずれも指定をしないときに、民法488条4項各号の順序に従って決まる充当。用語ページを見る →)
二 元本のほか利息・費用を支払うべきとき 民法489条(費用→利息→元本)

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

488条4項の「一号」は準用されないんだ!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

よく見比べたのう。 **民法488条4項一号は「弁済期にあるものに先に充当する」**じゃった。

相殺の場面では、そもそも双方の債務が弁済期にあることが要件(民法505条1項)。弁済期にあるかどうかで分けても意味がない——そう読める書きぶりじゃな。

だから二号(弁済の利益)から四号(額に応じた按分)までが準用される。準用の範囲の切り取り方に、制度の違いが表れておるのじゃ。

3項:受働債権が足りないとき

第一項の場合において、相殺をする債権者の負担する債務がその有する債権の全部を消滅させるのに足りないときは、前項の規定を準用する。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

足りないのが反対側の場合じゃな。 自働債権自働債権じどうさいけん相殺をする側が持っている債権のこと。「これで消してくれ」と差し出す側の債権です。用語ページを見る →が余るとき——そのときも同じ物差しを当てる。

2項が受働債権側の配分、3項が自働債権側の配分——鏡合わせになっておるのう。

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

当事者が別段の合意をしなかったときは、相殺によって消滅する債権と債務は、相殺に適するようになった時期の順序に従って、その対当額について消滅する。

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解答:◯

正しい記述です。民法512条1項がそのとおり定めています。

司法試験正誤問題AI生成類題

民法512条2項一号は、民法488条4項一号から四号までの規定を準用している。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法512条2項一号が準用するのは「第四百八十八条第四項第二号から第四号までの規定」であり、同項一号は準用されていません。

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