民法第520条の6・債権
民法第520条の6:指図証券の譲渡における債務者の抗弁の制限
指図証券の債務者は、証券記載事項等を除き、譲渡前の債権者に対抗できた事由を善意の譲受人に対抗できません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
普通の債権譲渡だと、債務者の言い分は引き継がれるよね?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法468条1項じゃな。 ところが指図証券では逆になる。 民法520条の6——証券を信じた者を守るのじゃ。
条文
指図証券の債務者は、その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果を除き、その証券の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 指図証券指図証券証券に記載された者又はその者が指図した者に弁済すべき有価証券。譲渡には裏書と交付が必要です(民法520条の2)。用語ページを見る →の債務者は |
| 何を | 譲渡前の債権者に対抗することができた事由 |
| 誰に | 善意善意ある特定の事情や事実を『知らない』こと。道徳的な善悪とは関係ありません。用語ページを見る →の譲受人譲受人債権譲渡で債権を受け取る側、つまり新しい債権者のこと。用語ページを見る →に |
| 効果 | 対抗することができない |
| 除外 | その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
紙に書いてあることは対抗できるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
当然じゃ。 譲受人は証券を見て取得しておるのじゃからのう。そこに書いてあることは、承知のうえじゃ。
**「証券の性質から当然に生ずる結果」**も同じ筋じゃ。その種類の証券なら当然そうなる、という事柄——知らなかったとは言えぬ。
債権譲渡との比較
| 債権譲渡債権譲渡債権をその同一性を保ったまま他人に移転させること。民法466条1項は「債権は、譲り渡すことができる」と定めています。用語ページを見る →(民法468条1項) | 指図証券(民法520条の6) | |
|---|---|---|
| 抗弁 | 引き継がれる(債務者が対抗できる) | 切断される(善意の譲受人には対抗できない) |
| 譲受人の主観 | 問わない | 善意であること |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
正反対だ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
守る相手が違うからじゃ。
民法468条は債務者を守る。 知らぬ間に不利にはならぬ、と。
民法520条の6は譲受人を守る。 証券を見て取得した者が、後から見えない事情で覆されては、証券の値打ちが失われる——流通のために抗弁を切るのじゃ。
同じ「債権が移る」場面でも、証券に乗っているかどうかで扱いが裏返る——そこが第七節の面白さじゃな。
「善意の譲受人」
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文は「善意の」とだけ書いておる。 民法520条の5のような「重大な過失」の文言はないのう。
条文ごとに要件が違う——書かれた言葉のとおりに読むことじゃ。
資格別の演習
指図証券の債務者は、その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果を除き、証券の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法520条の6がそのとおり定めています。
指図証券の債務者は、その証券に記載した事項についても、善意の譲受人に対抗することができない。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法520条の6は「その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果を除き」としており、証券記載事項は対抗することができます。