民法第202条・物権
民法第202条:本権の訴えとの関係
占有の訴えと本権の訴えは互いを妨げません。そして「占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない」——2項が占有制度の芯です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
占有回収の訴えを起こしたら、相手が「そもそもその土地は自分のものだ」って言い出したの。それを言われたら負けちゃうんじゃ……。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そうはならぬ。民法202条2項が、その主張で勝負を決めさせないと定めておるからじゃ。占有制度の芯にあたる条文じゃよ。
1項:互いに妨げない
占有の訴えは本権の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない。
| 内容 | |
|---|---|
| 占有の訴え占有の訴え占有を妨害されたときなどに、占有それ自体を根拠として救済を求める訴え(民法197条〜202条)。保持・保全・回収の3種類があります。用語ページを見る → → 本権の訴え本権の訴え所有権などの本権を根拠として物の返還等を求める訴え。占有の訴えとは互いに妨げず、占有の訴えについて本権に関する理由で裁判することはできません(民法202条)。用語ページを見る → | 妨げない |
| 本権の訴え → 占有の訴え | 妨げない |
2つの訴えは別々の土俵です。占有の訴えで敗れても、本権に基づいて改めて争うことができます。
2項:本権の理由で裁判できない
占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない」……。裁判所も、所有権の話で結論を出しちゃダメなんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこじゃ。もし所有権の話で占有の訴えを片づけてよいなら、力ずくで奪った者が「でも自分のものだ」と言えば勝ててしまう。それでは自力救済を止められぬ。
だから民法202条2項は、占有の訴えの土俵から本権の理由を締め出しておる。「持っておる者から奪うな。文句があるなら別に訴えよ」——これが占有制度の言い分じゃな。
判例:反訴は妨げられない
最判昭和40年3月4日(民集第19巻2号197頁)
判示事項は「占有の訴に対して本権に基づく反訴を提起することの許否」です。裁判要旨は次のとおりです。
占有の訴に対しては、本権に基づく反訴を提起することができる。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
あれ? 本権の理由では裁判できないはずなのに、本権に基づく反訴はしていいの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
混同しやすいところじゃな。2項が禁じておるのは、占有の訴えについて本権の理由で裁判することじゃ。本権に基づく反訴は、それ自体が別個の本権の訴えじゃからのう。1項が「互いに妨げない」と言うておるとおりじゃ。
この事件は、事件名からして「占有保持請求本訴ならびに建物収去土地明渡請求反訴事件」でな。占有の本訴と本権の反訴が、同じ手続の中で並んでおるのじゃよ。
資格別の演習
占有の訴えは本権の訴えを妨げず、本権の訴えは占有の訴えを妨げない。
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解答:◯
正しい記述です。民法202条1項がそのとおり定めています。
占有回収の訴えにおいて、被告は自らが所有者であることを理由として請求の棄却を求めることができ、裁判所はこれに基づいて裁判をすることができる。
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解答:×
誤りです。民法202条2項は「占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない」と定めています。
判例によれば、占有の訴えに対して本権に基づく反訴を提起することができる。
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解答:◯
正しい記述です。最判昭和40年3月4日(民集第19巻2号197頁)の裁判要旨がそのとおり述べています。民法202条2項が禁じているのは占有の訴えについて本権の理由で裁判することであり、別個の本権の訴えである反訴の提起は妨げられません。