民法第825条・親族

民法第825条:父母の一方が共同の名義でした行為の効力

父母が共同して親権を行う場合に、一方が共同の名義で子に代わって法律行為をしたときは、他の一方の意思に反しても効力を妨げられません。ただし相手方が悪意であったときは別です。

  • 司法書士
  • 司法試験

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

父母の一方が「二人の名前で」勝手に契約したら、どうなるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

民法825条じゃ。 相手方の善意善意ぜんいある特定の事情や事実を『知らない』こと。道徳的な善悪とは関係ありません。用語ページを見る →・悪意悪意あくいある特定の事情や事実を『知っている』こと。いじわるな心という意味ではありません。用語ページを見る →で分かれる建て方になっておる。

条文

父母が共同して親権を行う場合において、父母の一方が、共同の名義で、子に代わって法律行為をし又は子がこれをすることに同意したときは、その行為は、他の一方の意思に反したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。

部分 内容
本文 父母が共同して親権を行う場合に一方が共同の名義でした行為は、他の一方の意思に反したときであっても効力を妨げられない
ただし書 相手方が悪意であったとき

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

相手が知らなければ守られるんだね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

取引の安全取引の安全とりひきのあんぜん外から見える権利関係を信じて取引した人が、あとから覆されて損をしないように保護すること。当事者本人の保護とぶつかったとき、どちらを優先するかが問題になります。用語ページを見る →を図る規定と読める。

要件は「共同の名義で」じゃ。 一方の名義でした行為は、この条文の対象ではない書きぶりじゃな。

民法824条の2第1項本文が共同行使を原則とした、その裏側にある救済と読めるのう。

判例——訴訟行為への適用

最判昭和57年11月26日(民集第36巻11号2296頁/昭和54(オ)549)は、 訴訟行為には民法825条は適用されないと判断しました。

同判決はまた、民法826条1項の規定による特別代理人特別代理人とくべつだいりにん特定の手続のために家庭裁判所が選任する代理人のこと。嫡出否認の訴えで親権を行う母がないときに選任されます(民法775条2項)。用語ページを見る →の選任申立ては、 父母が共同で親権を行う場合においても、その一方が単独ですることができるとしています。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

825条が守るのは取引の相手方じゃ。 訴訟行為には及ばぬ——要旨はそこまでを言うておる。

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

父母が共同して親権を行う場合において、父母の一方が共同の名義で子に代わって法律行為をしたときは、他の一方の意思に反したときであっても、その効力を妨げられない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法825条本文がそのとおり定めています。

司法試験正誤問題AI生成類題

訴訟行為にも民法825条が適用されるとするのが判例である。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。最判昭和57年11月26日は、訴訟行為には民法825条は適用されないとしました。

司法試験正誤問題AI生成類題

民法826条1項の規定による特別代理人の選任申立ては、父母が共同で親権を行う場合においても、その一方が単独ですることができるとした判例がある。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。最判昭和57年11月26日がそのとおり判断しています。

一次情報を確認する