民法第398条の13・物権
民法第398条の13:根抵当権の一部譲渡
分割しないで譲り渡し、譲渡人と譲受人が根抵当権を共有します。条文が言葉の定義まで置いています。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
民法398条の12の分割譲渡は、枠を2つに割るんだよね。割らないで一部だけ譲るってできるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
できる。それが民法398条の13の一部譲渡じゃ。しかも条文が言葉の意味まで自分で書いておる——珍しい親切さじゃぞ。
条文の内容
元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権の一部譲渡(譲渡人が譲受人と根抵当権を共有するため、これを分割しないで譲り渡すことをいう。以下この節において同じ。)をすることができる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| いつ | 元本の確定前 |
| 誰の承諾 | 根抵当権設定者 |
| 一部譲渡とは | 譲渡人が譲受人と根抵当権を共有するため、これを分割しないで譲り渡すこと |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
かっこ書きが定義になってる!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。「分割しないで」——ここが398条の12第2項との分かれ目じゃ。
分割譲渡なら枠が2つになり、それぞれ別の持ち主のものになる。一部譲渡なら枠はひとつのまま、持ち主が2人になる。共有共有一つの物を複数人で所有すること。各共有者は共有物の全部について、その持分に応じた使用ができます(民法249条1項)。用語ページを見る →じゃな。
398条の12第2項との対比
| 分割譲渡(398条の12第2項) | 一部譲渡(398条の13) | |
|---|---|---|
| 枠 | 2個の根抵当権に分かれる | 1個のまま |
| 権利者 | それぞれ別々の単独所有 | 譲渡人と譲受人の共有 |
| 目的とする権利 | 譲り渡した側について消滅(2項後段) | 条文に定めなし |
| 追加の承諾 | 目的とする権利を有する者(3項) | 条文に定めなし |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
一部譲渡のほうが条文が短いね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
枠を割らぬのじゃから、その上に乗っておる権利を消す必要もない。そのぶん条文が要らぬ、というわけじゃな。
そのかわり共有になった後の扱いが問題になる。それを定めておるのが、次の民法398条の14じゃ。
「以下この節において同じ」
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
かっこ書きの末尾に注目じゃ。「以下この節において同じ」——ここで定義した「一部譲渡」という言葉が、第四節のあちこちで使われるという予告じゃな。
実際、民法398条の14第2項、398条の15、398条の17第1項に登場する。定義を一度置いて、あとは短く書く——法律の書き方の基本じゃ。
資格別の演習
元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権の一部譲渡をすることができる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法398条の13がそのとおり定めています。
根抵当権の一部譲渡とは、譲渡人が譲受人と根抵当権を共有するため、これを分割しないで譲り渡すことをいう。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法398条の13のかっこ書きがそのとおり定義しています。
根抵当権の一部譲渡は、根抵当権を2個に分割したうえで、その一方を譲り渡すものである。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。それは民法398条の12第2項の分割譲渡です。一部譲渡は「これを分割しないで譲り渡すこと」と定義されています(民法398条の13)。