民法第330条・物権

民法第330条:動産の先取特権の順位

3つの順位に加え、後の保存者が優先する特則、知っていた者は行使できない制限、果実についての別の順位。動産の先取特権で最も込み入った条文です。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

動産動産どうさん不動産以外の物のこと(民法86条2項)。条文が「すべて」としているため、有体物は不動産か動産のいずれかに必ず分類されます。用語ページを見る →の先取特権先取特権さきどりとっけん法律の規定に従い、債務者の財産から他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法303条)。当事者の契約ではなく法律によって当然に生じる担保物権です。用語ページを見る →は8つもあったよね。ぶつかったらどうなるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

民法330条じゃ。3項まであり、それぞれに仕掛けがある。第八章でいちばん込み入った条文かもしれぬ。ゆっくり読もうかのう。

1項:3つの順位

同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、次に掲げる順序に従う。この場合において、第二号に掲げる動産の保存の先取特権について数人の保存者があるときは、後の保存者が前の保存者に優先する。

順位 先取特権
1 不動産の賃貸、旅館の宿泊及び運輸
2 動産の保存
3 動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務

さらに後段の特則があります。

特則 内容
保存者が数人あるとき 後の保存者が前の保存者に優先する

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

後から保存した人が勝つ! 珍しいね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

後の保存者がおらねば、その物は今ここに無いからのう。前の者の努力も、後の者に支えられておる——そう読める特則じゃ。

2項:知っていた第1順位者は行使できない

前項の場合において、第一順位の先取特権者は、その債権取得の時において第二順位又は第三順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。第一順位の先取特権者のために物を保存した者に対しても、同様とする。

内容
① 第1順位者が、債権取得の時に第2・第3順位者があることを知っていたとき → 優先権を行使できない
② 第1順位者のために物を保存した者に対しても、同様

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

知っていたら順位が使えなくなるんだ。悪意悪意あくいある特定の事情や事実を『知っている』こと。いじわるな心という意味ではありません。用語ページを見る →だと不利になる。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そう読める。基準時は「その債権取得の時」——条文が明示しておる。民法162条2項や195条と同じく、基準時が書いてあるならそこが答えじゃ。

②も味わい深いのう。自分のために保存してくれた者には譲る。第1順位であっても、恩義には勝てぬ、というわけじゃ。

3項:果実については別の順位

果実に関しては、第一の順位は農業の労務に従事する者に、第二の順位は種苗又は肥料の供給者に、第三の順位は土地の賃貸人に属する。

順位 誰 1項での順位
1 農業の労務に従事する者 第3順位
2 種苗又は肥料の供給者 第3順位
3 土地の賃貸人 第1順位

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

1項とまるで違う! 土地の賃貸人が1位から3位に落ちてる。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこが3項の眼目じゃ。果実は誰が生み出したかを見れば、汗を流した者、種と肥料を提供した者が先に来るのが筋じゃろう。

1項と3項を混同せぬこと。「動産一般なら1項、果実なら3項」と覚えるのじゃぞ。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

同一の動産について特別の先取特権が競合する場合、不動産の賃貸、旅館の宿泊及び運輸の先取特権が第1順位、動産の保存の先取特権が第2順位である。

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解答:◯

正しい記述です。民法330条1項1号・2号がそのとおり定めています。

司法書士正誤問題AI生成類題

第1順位の先取特権者は、その債権取得の時において第2順位又は第3順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法330条2項前段がそのとおり定めています。

司法試験正誤問題AI生成類題

動産の保存の先取特権について数人の保存者があるときは、後の保存者が前の保存者に優先する。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法330条1項後段がそのとおり定めています。

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