民法第600条・債権
民法第600条:損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限
損害賠償と費用償還の請求は返還を受けた時から1年以内にしなければならず、損害賠償請求権の時効は1年間完成しません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
返してもらった後で傷に気づいた。いつまで請求できるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
1年じゃ。 民法600条1項。そして2項に、時効の側からの手当てもある——二段構えを見るぞ。
条文
1 契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償及び借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から一年以内に請求しなければならない。
2 前項の損害賠償の請求権については、貸主が返還を受けた時から一年を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 契約の本旨に反する使用収益による損害の賠償及び借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から一年以内に請求 |
| 2項 | 1項の損害賠償の請求権は、返還を受けた時から一年を経過するまで時効時効一定の事実状態が続いたことに法律上の効果を認める制度。権利を得る取得時効と、権利が消える消滅時効があり、効力は起算日にさかのぼります(民法144条)。用語ページを見る →が完成しない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
1項は貸主の請求も借主の請求も、まとめて書いてあるんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よく読んだのう。 損害賠償は貸主が求めるもの、費用の償還は借主が求めるもの——向きの違う二つが、同じ期間で括られておる。
返還を境に、双方の精算を早く終わらせる——そういう狙いと読める。
起算点はどちらも「貸主が返還を受けた時」じゃ。
2項が置かれた意味
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
時効が完成しないって、どういうこと?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
損害賠償請求権にも、民法166条の消滅時効がかかる。 貸主が損害を知らぬうちに、返還前から時効が進んでおることもありうる。
すると、返還を受けた時にはもう時効が完成寸前——1項が1年を与えても、意味をなさぬ。
そこで2項じゃ。 返還を受けた時から1年を経過するまでは時効を完成させぬ——1項の1年を実質的に確保する完成猶予完成猶予一定の事由がある間、時効が完成しないこと(民法147条以下)。それまで経過した期間はそのまま残る点で、振り出しに戻る更新と異なります。用語ページを見る →の規定、と読める。
なお2項が守っておるのは損害賠償請求権だけ——費用償還請求権は書かれておらぬぞ。
資格別の演習
契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償及び借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法600条1項がそのとおり定めています。
民法600条1項の損害賠償の請求権については、貸主が返還を受けた時から1年を経過するまでの間は、時効は完成しない。
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解答:◯
正しい記述です。民法600条2項がそのとおり定めています。
民法600条2項の時効の完成猶予は、費用償還請求権についても及ぶ。
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解答:×
誤りです。民法600条2項は「前項の損害賠償の請求権については」と定めており、費用償還請求権は対象としていません。