民法第459条・債権
民法第459条:委託を受けた保証人の求償権
債務の消滅行為をした保証人は、支出した財産の額の求償権を有します。法定利息や費用も含みます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
保証人が払ったら、主たる債務者に返してもらえるよね?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
当然じゃ。民法459条の**求償権求償権他人のために出捐した者が、その負担すべき者に対して返還を求める権利のこと。物上保証人は、保証債務に関する規定に従い債務者に求償できます(民法351条)。用語ページを見る →——第二目「保証人の求償権」の入口じゃぞ。しかも債務の消滅行為債務の消滅行為弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為のこと(民法459条1項のかっこ書きによる定義)。用語ページを見る →**という言葉を、条文が自ら定義しておる。
1項:求償できる額
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為(以下「債務の消滅行為」という。)をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額(その財産の額がその債務の消滅行為によって消滅した主たる債務の額を超える場合にあっては、その消滅した額)の求償権を有する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 要件① | 主たる債務者の委託を受けて保証をした |
| 要件② | 債務の消滅行為をした |
| 求償できる額 | 支出した財産の額(それが消滅した主たる債務の額を超えるときは消滅した額) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
かっこ書きの作り、民法442条1項と同じだ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう気づいたのう。連帯債務連帯債務目的が可分な債務について、法令の規定又は当事者の意思表示により数人が連帯して負担する債務(民法436条)。債権者は一人に全部の履行を請求できます。用語ページを見る →で作った仕組みを、保証で使い回しておる——第三節の設計じゃな。
代物弁済で得をした分まで求償させぬという趣旨も同じじゃ。
「債務の消滅行為」の定義
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
かっこ書きに注目じゃ。「弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為(以下「債務の消滅行為」という。)」——ここで定義しておる。
以後、民法459条の2、462条などでこの言葉が繰り返し使われる。定義を一度置いて、あとは短く書く——民法398条の13が「一部譲渡」を定義したのと同じ手つきじゃな。
2項:442条2項の準用
第四百四十二条第二項の規定は、前項の場合について準用する。
| 準用される内容 | 民法442条2項 |
|---|---|
| ① | 免責があった日以後の**法定利率法定利率別段の意思表示がないときに適用される利率。年3パーセントを出発点として、3年を一期として変動します(民法404条2項・3項)。用語ページを見る →による利息** |
| ② | 避けることができなかった費用 |
| ③ | その他の損害の賠償 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
元本だけではない。立て替えたぶんの利息も含まれる——連帯債務と同じ扱いじゃな。
信用保証と旧債振替禁止条項
最高裁は、信用保証協会の保証について次のように判断しました。
金融機関が、信用保証協会の保証に係る中小企業者等に対する貸付金の一部について、信用保証協会との間の信用保証取引に関する約定中のいわゆる旧債振替禁止条項に違反してこれを既存の債権の回収に充てた場合には、残額部分の貸付金では中小企業者等が融資を受けた目的を達成することができないなど、信用保証制度の趣旨・目的に照らして保証債務の全部について免責を認めるのを相当とする特段の事情がある場合を除き、当該違反部分のみについて保証債務の消滅の効果が生ずる。 (最判平成9年10月31日・民集第51巻9号4004頁)
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「当該違反部分のみ」——ここでも一部なんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。要旨は特段の事情がある場合を除き、違反部分のみについて消滅の効果が生ずる、と述べておる。
全部か無かではなく、必要な範囲で切り分ける——民法の随所に見られる解き方じゃな。
求償権の4つの型
| 条文 | 場面 |
|---|---|
| 民法459条 | 委託を受けた保証人が弁済期後に消滅行為 |
| 民法459条の2 | 委託を受けた保証人が弁済期前に消滅行為 |
| 民法460条 | 委託を受けた保証人の事前の求償権 |
| 民法462条 | 委託を受けない保証人の求償権 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
委託の有無と弁済期の前後——この2つの軸で4つに分かれる。整理して覚えるのが早道じゃぞ。
資格別の演習
主たる債務者の委託を受けて保証をした保証人が債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額の求償権を有する。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法459条1項がそのとおり定めています。
民法459条1項の求償には、民法442条2項が準用され、法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償が含まれる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法459条2項がそのとおり定めています。
支出した財産の額が債務の消滅行為によって消滅した主たる債務の額を超える場合には、求償できるのはその消滅した額である。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法459条1項のかっこ書きがそのとおり定めています。
一次情報を確認する
- e-Gov法令検索:民法第459条
- 最判平成9年10月31日(民集 第51巻9号4004頁)(平成8(オ)1939)