民法第16条・総則

民法第16条:被補助人及び補助人

補助開始の審判を受けた者は被補助人となり、これに補助人が付されます。民法8条・12条と同じ形ですが、補助人の権限は審判で個別に決まる点が大きく違います。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

これで3つそろったね。8条、12条、16条。ぜんぶ同じ書き方だ!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

書き方は同じじゃ。じゃが中身の詰まり具合はまるで違うぞ。ここが補助のいちばん面白いところでのう。

条文の内容

補助開始の審判を受けた者は、被補助人とし、これに補助人を付する。

決めていること 内容
呼び名 補助開始の審判補助開始の審判ほじょかいしのしんぱん精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である人について、家庭裁判所が補助を開始すると決める裁判(民法15条1項)。用語ページを見る →(民法15条1項)を受けた者は被補助人被補助人ひほじょにん事理を弁識する能力が不十分だとして、補助開始の審判を受けた人(民法16条)。同意が必要になるのは、審判で個別に定められた特定の法律行為だけです。用語ページを見る →となる
保護者 その者に補助人補助人ほじょにん被補助人に付される保護者(民法16条)。家庭裁判所が補助開始の審判をするときに、職権で選任します(民法876条の7第1項)。用語ページを見る →を付する

「付する」その先が、制度ごとに違う

民法8条・12条・16条は同じ形です。しかし、保護者にどんな権限があるかは、それぞれ別の条文が決めています。

制度 同意権 代理権
後見 条文に同意の規定なし(民法9条は法律行為を広く取消しの対象とする) 民法859条1項により当然に代表権を有する
保佐 民法13条1項があらかじめ10号を列挙(同条2項で追加可) 民法876条の4第1項の審判により、特定の法律行為について付与される
補助 民法17条1項の審判により、特定の法律行為について個別に定められる 民法876条の9第1項の審判により、特定の法律行為について付与される

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

補助だけ、同意権も代理権も「審判がないと何もない」んだ!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこじゃ。だからこそ民法15条3項が、補助開始の審判は民法17条1項の審判又は民法876条の9第1項の審判とともにしなければならないと定めておる。器だけ作っても意味がないからのう。

さらに、民法17条1項ただし書は、同意を要するものとできる行為は民法13条1項に規定する行為の一部に限るとしています。補助人の同意権は、保佐で列挙された行為の範囲を超えることができません。

補助人はどう決まるのか

保佐と同じ形の条文が、補助にも用意されています。

条文 内容
民法876条の6 補助は、補助開始の審判補助開始の審判ほじょかいしのしんぱん精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である人について、家庭裁判所が補助を開始すると決める裁判(民法15条1項)。用語ページを見る →によって開始する
民法876条の7第1項 家庭裁判所家庭裁判所かていさいばんしょ家庭に関する事件などを扱う裁判所。後見・保佐・補助を開始する審判と、その取消しの審判はここが行います。用語ページを見る →は、補助開始の審判をするときは、職権で補助人を選任する
民法876条の7第2項 民法843条2項から4項まで、及び民法844条から民法847条までの規定を補助人について準用する
民法876条の7第3項 補助人又はその代表する者と被補助人との利益が相反する行為については、補助人は臨時補助人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない(補助監督人がある場合を除く)
民法876条の8第1項 家庭裁判所家庭裁判所かていさいばんしょ家庭に関する事件などを扱う裁判所。後見・保佐・補助を開始する審判と、その取消しの審判はここが行います。用語ページを見る →は、必要があると認めるときは、被補助人、その親族若しくは補助人の請求により又は職権で、補助監督人を選任することができる

意思の尊重と身上への配慮

民法876条の10第1項は、補助の事務について、民法876条の5第1項の規定を準用しています。民法876条の5第1項が定めているのは、次の内容です。

保佐人は、保佐の事務を行うに当たっては、被保佐人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

成年後見人成年後見人せいねんこうけんにん成年被後見人に付される保護者(民法8条)。家庭裁判所が後見開始の審判をするときに、職権で選任します(民法843条1項)。用語ページを見る →は民法858条、保佐人保佐人ほさにん被保佐人に付される保護者(民法12条)。家庭裁判所が保佐開始の審判をするときに、職権で選任します(民法876条の2第1項)。用語ページを見る →は民法876条の5第1項、補助人補助人ほじょにん被補助人に付される保護者(民法16条)。家庭裁判所が補助開始の審判をするときに、職権で選任します(民法876条の7第1項)。用語ページを見る →は民法876条の10第1項による準用。三者そろって、意思の尊重と身上への配慮が課されておるのじゃ。

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

権限の広さは違っても、そこは同じなんだね。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

補助開始の審判を受けた者は被補助人とされ、これに補助人が付される。

解答・解説を見る

解答:

正しい記述です。民法16条がそのとおり定めています。後見について民法8条、保佐について民法12条が同じ形で定めており、3つの制度が同じ構造で並べられています。

司法書士正誤問題AI生成類題

補助人は、被補助人が民法13条1項各号に掲げる行為をするについて、当然に同意権を有する。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。補助人補助人ほじょにん被補助人に付される保護者(民法16条)。家庭裁判所が補助開始の審判をするときに、職権で選任します(民法876条の7第1項)。用語ページを見る →の同意権は、民法17条1項の審判によって特定の法律行為について定められてはじめて生じます。しかも同項ただし書により、その対象は民法13条1項に規定する行為の一部に限られます。列挙された行為に当然に同意権が及ぶのは保佐人保佐人ほさにん被保佐人に付される保護者(民法12条)。家庭裁判所が保佐開始の審判をするときに、職権で選任します(民法876条の2第1項)。用語ページを見る →(民法13条1項)です。

司法試験正誤問題AI生成類題

補助人は、補助の事務を行うに当たり、被補助人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。

解答・解説を見る

解答:

正しい記述です。民法876条の10第1項が、補助の事務について民法876条の5第1項を準用しています。同項は保佐人について「被保佐人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない」と定めるものです。成年後見人については民法858条が同趣旨を定めています。

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