民法第331条・物権
民法第331条:不動産の先取特権の順位
保存・工事・売買の順です。同じ不動産が次々に売られた場合、売主どうしの順位は売買の前後によります。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
不動産不動産土地及びその定着物のこと(民法86条1項)。価値の高低ではなく、土地に定着しているかどうかで動産と区別されます。用語ページを見る →の先取特権先取特権法律の規定に従い、債務者の財産から他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法303条)。当事者の契約ではなく法律によって当然に生じる担保物権です。用語ページを見る →も、ぶつかることがあるよね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法331条じゃ。動産の330条に比べると、ずいぶん簡素じゃぞ。
1項:民法325条の順
同一の不動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第三百二十五条各号に掲げる順序に従う。
| 順位 | 原因(民法325条) |
|---|---|
| 1 | 不動産の保存 |
| 2 | 不動産の工事 |
| 3 | 不動産の売買 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
ここも「条文に並んだ順」だ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法306条・329条1項、民法325条・331条1項——民法は、列挙の順序をそのまま順位にするのが常じゃ。条文を順番ごと覚えよ、というのはそのためじゃな。
そして順序の理屈も見えよう。保存した者、価値を増やした者、売った者——その物の価値にどれだけ寄与したかの順、と読める。
2項:売買が順次された場合
同一の不動産について売買が順次された場合には、売主相互間における不動産売買の先取特権の優先権の順位は、売買の前後による。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 同一の不動産について売買が順次された |
| 誰の間 | 売主相互間 |
| 基準 | 売買の前後による |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
AがBに売り、BがCに売り……。売主が何人もいる場合だね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。それぞれの売主が代金をもらっておらねば、それぞれに民法328条の先取特権が生じうる。そのときの順位を売買の前後で決める、というのが2項じゃ。
先に売った者が先——素直な定めじゃな。もっとも、民法340条により**売買契約と同時に登記登記不動産の権利関係を法務局の登記簿に記録して公示する制度。不動産の物権変動は、登記をしないと第三者に主張できません。用語ページを見る →**をせねば効力を保存できぬゆえ、実際に競合する場面は限られようがのう。
動産の民法330条との対比
| 動産(民法330条) | 不動産(民法331条) | |
|---|---|---|
| 順位 | 3つ(1項) | 3つ(1項) |
| 保存者の特則 | 後の保存者が優先(1項後段) | なし |
| 悪意の第1順位者 | 優先権を行使できない(2項) | なし |
| 果実の特則 | あり(3項) | なし |
| 順次売買 | なし | あり(2項) |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
こうして並べると、動産のほうがはるかに複雑じゃ。不動産には登記登記不動産の権利関係を法務局の登記簿に記録して公示する制度。不動産の物権変動は、登記をしないと第三者に主張できません。用語ページを見る →があり、順位が公示によって整理される。じゃから条文の側で細かく決める必要が薄い、と読めような。
資格別の演習
同一の不動産について特別の先取特権が互いに競合する場合、その優先権の順位は、不動産の保存、不動産の工事、不動産の売買の順による。
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解答:◯
正しい記述です。民法331条1項は民法325条各号に掲げる順序に従うとしており、同条は保存・工事・売買の順で列挙しています。
同一の不動産について売買が順次された場合には、売主相互間における不動産売買の先取特権の優先権の順位は、売買の前後による。
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解答:◯
正しい記述です。民法331条2項がそのとおり定めています。
不動産の保存の先取特権について数人の保存者があるときは、後の保存者が前の保存者に優先する。
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解答:×
誤りです。後の保存者が優先する旨を定めているのは、動産の先取特権についての民法330条1項後段です。民法331条にはこのような特則は置かれていません。