民法第14条・総則

民法第14条:保佐開始の審判等の取消し

民法11条本文の原因が消滅したときは、家庭裁判所は請求により保佐開始の審判を取り消さなければなりません。2項は13条2項で追加された同意事項の取消しを定めます。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

10条が後見の出口だったよね。じゃあ14条は保佐の出口?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そのとおりじゃ。しかも14条には出口が2つある。制度そのものから出る道と、追加された同意事項だけを外す道じゃ。

条文の内容

1項:保佐開始の審判の取消し

第十一条本文に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判を取り消さなければならない。

要素 内容
要件 民法11条本文の原因(事理を弁識する能力事理を弁識する能力じりをべんしきするのうりょく物事の道理をわきまえ、自分の行為の結果を判断する能力のこと。これを「欠く常況」なら後見、「著しく不十分」なら保佐、「不十分」なら補助の対象になります。用語ページを見る →が著しく不十分であること)が消滅したこと/列挙された者からの請求
請求権者 本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人保佐人ほさにん被保佐人に付される保護者(民法12条)。家庭裁判所が保佐開始の審判をするときに、職権で選任します(民法876条の2第1項)。用語ページを見る →、保佐監督人、検察官
効果 保佐開始の審判を取り消さなければならない

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

ここでも「なければならない」だ!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

3つの制度そろって同じ形じゃ。入口は「できる」、出口は「しなければならない」。これは民法10条・14条1項・18条1項に共通しておるぞ。

2項:13条2項の審判の取消し

家庭裁判所は、前項に規定する者の請求により、前条第二項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。

「前条第二項の審判」とは、民法13条2項の審判——1項各号以外の行為についても保佐人保佐人ほさにん被保佐人に付される保護者(民法12条)。家庭裁判所が保佐開始の審判をするときに、職権で選任します(民法876条の2第1項)。用語ページを見る →の同意を要するとした審判のことです。

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

あ、こっちは「できる」なんだ!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

鋭いのう。1項は保佐そのものを終わらせる話。原因が消えた以上、続ける理由がない。2項は追加した分を減らす話じゃ。保佐は続くが、上乗せの一部だけを外す——だから「全部又は一部を」「取り消すことができる」と書いてある。

何を取り消すか 語尾 範囲
1項 保佐開始の審判 取り消さなければならない 全部
2項 民法13条2項の審判 取り消すことができる 全部又は一部

請求権者を10条と見比べる

同じ「取消しの請求ができる者」でも、後見と保佐では顔ぶれが違います。

請求権者 後見の取消し(民法10条) 保佐の取消し(民法14条1項)
本人・配偶者・四親等内の親族・検察官
後見人(未成年後見人・成年後見人) 未成年後見人のみ列挙
後見監督人(未成年後見監督人・成年後見監督人) 未成年後見監督人のみ列挙
保佐人・保佐監督人 列挙されていない

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

ここでも「その場面にいる人が並ぶ」の原則じゃな。保佐を終わらせる場面に成年後見人はおらぬ。逆に、そこには保佐人がおる。

なお民法14条1項が「未成年後見人」「未成年後見監督人」と書き分けていることに注意してください。民法10条の定義により、単に「後見人」と書けば成年後見人も含んでしまいます。保佐の取消しの場面ではそれが不自然なため、わざわざ未成年後見人・未成年後見監督人と限定して列挙しているわけです。

保佐の代理権を外す道

保佐には、もうひとつ「一部を外す」仕組みがあります。民法876条の4第3項は、家庭裁判所家庭裁判所かていさいばんしょ家庭に関する事件などを扱う裁判所。後見・保佐・補助を開始する審判と、その取消しの審判はここが行います。用語ページを見る →は、同条1項に規定する者の請求によって、保佐人に代理権を付与する旨の審判の全部又は一部を取り消すことができると定めています。

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

同意の追加(13条2項)を外すのが14条2項、代理権(876条の4第1項)を外すのが876条の4第3項。ぜんぶ「全部又は一部」なんだね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

うむ。制度を丸ごと畳むのではなく、必要がなくなった分だけ細かく戻していける。保佐という制度の柔らかさは、こういうところに出ておるのう。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

民法11条本文に規定する原因が消滅した場合、家庭裁判所は、請求により保佐開始の審判を取り消すことができる。

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解答:×

誤りです。民法14条1項は「取り消さなければならない」と定めています。後見(民法10条)、補助(民法18条1項)も同じく「取り消さなければならない」であり、開始の側の民法7条・11条・15条1項が「することができる」であるのと対になっています。

司法書士正誤問題AI生成類題

家庭裁判所は、民法14条1項に規定する者の請求により、民法13条2項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。

解答・解説を見る

解答:

正しい記述です。民法14条2項がそのとおり定めています。民法13条2項の審判は、同条1項各号以外の行為についても保佐人保佐人ほさにん被保佐人に付される保護者(民法12条)。家庭裁判所が保佐開始の審判をするときに、職権で選任します(民法876条の2第1項)。用語ページを見る →同意同意どうい保護者が、本人のする法律行為をしてよいとあらかじめ認めること。同意を得なければならない行為を同意なくしたときは、その行為を取り消すことができます(民法5条2項・13条4項・17条4項)。用語ページを見る →を要するとする上乗せの審判であり、その全部又は一部を取り消すことができます。1項と異なり「できる」と書かれている点に注意してください。

司法試験正誤問題AI生成類題

保佐開始の審判の取消しは、成年後見人の請求によってもすることができる。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法14条1項が列挙する請求権者は「本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官」であり、成年後見人・成年後見監督人は含まれていません。民法10条のように「後見人」と書けば成年後見人も含まれてしまうため、あえて未成年後見人・未成年後見監督人と限定して列挙されています。

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