民法第289条・物権
民法第289条:承役地の時効取得による地役権の消滅
承役地の占有者が取得時効の要件を満たす占有をすると、地役権は消滅します。ただし地役権者が権利を行使すれば中断します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
地役権地役権設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利(民法280条)。通行や引水のために設定されます。用語ページを見る →は時効で取得できる(民法283条)。じゃあ、時効で消えることもあるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ある。民法289条じゃ。承役地承役地地役権者以外の者の土地であって、要役地の便益に供されるもの(民法285条1項)。便益を与える側の土地です。用語ページを見る →のほうが時効取得されれば、その上の地役権は消える。
条文の内容
承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権は、これによって消滅する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 承役地の占有者 |
| 何を | 取得時効に必要な要件を具備する占有をした |
| 効果 | 地役権は、これによって消滅する |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「取得時効に必要な要件」って、民法162条のことだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
所有の意思所有の意思その物を自分のものとして持つ意思のこと。民法162条の取得時効の要件であり、所有権以外の財産権については「自己のためにする意思」とされます(民法163条)。用語ページを見る →をもって、平穏・公然に、20年(善意無過失なら10年)——じゃな。
ただ、条文が言うておるのはその要件を具備する占有をしたときじゃ。地役権の負担を受け入れずに、まっさらな所有者として占有し続けた——そう評価できるなら、地役権は行き場を失う、という理屈と読める。
民法290条:地役権者が行使すれば中断する
前条の規定による地役権の消滅時効は、地役権者がその権利を行使することによって中断する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象 | 前条(民法289条)の規定による地役権の**消滅時効消滅時効権利を行使しないまま一定期間が過ぎることで、その権利が消滅する時効のこと。債権は知った時から5年、行使できる時から10年です(民法166条1項)。用語ページを見る → |
| 誰が | 地役権者がその権利を行使する |
| 効果 | 中断する |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
通り続けていれば、消えないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そういうことじゃ。民法289条は、地役権者が何もしないままであることを前提にしておる。使っておれば、そもそも「地役権の負担を受け入れずに占有した」とは言えぬからのう。
消滅の条文(289条)と、それを止める条文(290条)は、必ずセットで読むのじゃぞ。
地役権の消滅をめぐる条文
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 民法289条 | 承役地の時効取得による消滅 |
| 民法290条 | 289条の消滅時効の中断 |
| 民法291条 | 地役権の消滅時効の起算点 |
| 民法292条 | 要役地が共有の場合の完成猶予・更新 |
| 民法293条 | 一部の不行使による一部消滅 |
資格別の演習
承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権はこれによって消滅する。
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解答:◯
正しい記述です。民法289条がそのとおり定めています。
民法289条の規定による地役権の消滅時効は、地役権者がその権利を行使することによって中断する。
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解答:◯
正しい記述です。民法290条がそのとおり定めています。
承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をした場合、地役権者が権利を行使していたとしても地役権は消滅する。
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解答:×
誤りです。民法290条により、地役権者がその権利を行使することによって民法289条の消滅時効は中断します。