民法第472条の4・債権
民法第472条の4:免責的債務引受による担保の移転
債権者は担保権を引受人の債務に移せますが、第三者が設定した場合はその承諾が必要で、保証は書面が要ります。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
債務者が変わったら、担保はどうなるの? 消えちゃう?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
放っておけば消える。 じゃが民法472条の4は移すことができると定めた。ただし条件つき——そこが読みどころじゃぞ。
1項:担保権の移転
債権者は、第四百七十二条第一項の規定により債務者が免れる債務の担保として設定された担保権を引受人が負担する債務に移すことができる。ただし、引受人以外の者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 債権者は |
| 何を | 債務者が免れる債務の担保として設定された担保権 |
| どこへ | 引受人引受人債務引受によって債務者の債務と同一の内容の債務を負担する者のこと。用語ページを見る →が負担する債務に移すことができる |
| ただし書 | 引受人以外の者が設定した場合には、その承諾を得なければならない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
引受人が自分で設定した担保なら、承諾はいらないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。 自分の債務を担保するために自分が出した担保——移っても不利益はないからのう。
じゃが**物上保証人物上保証人他人の債務を担保するため自分の財産に担保権を設定した者のこと。債務を弁済し又は質物の所有権を失ったときは、債務者に求償権を有します(民法351条)。用語ページを見る →や、もとの債務者が出した担保は違う。「この人の債務だから担保を出した」のに、知らぬ人の債務の担保に付け替えられてはたまらぬ**。だから承諾が要る——当然の配慮じゃな。
2項:移転の方法
前項の規定による担保権の移転は、あらかじめ又は同時に引受人に対してする意思表示によってしなければならない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 相手 | 引受人に対してする意思表示意思表示契約を結ぶなど、一定の法律効果を発生させようとする意思を外部に表明する行為。用語ページを見る → |
| 時期 | あらかじめ又は同時に |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「あらかじめ又は同時に」——後からじゃだめなんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
免責的債務引受の効力発生より後では遅いという趣旨に読める。
なぜか。 効力が生じた瞬間、もとの債務は消える(民法472条1項)。債務が消えれば、それに付いていた担保も行き場を失う——**付従性付従性ある権利が他の権利にくっついて動く性質のこと。地役権は要役地の所有権とともに移転し、要役地から分離して譲り渡すことができません(民法281条)。用語ページを見る →じゃな。
消える前に、移す意思表示をしておけ——時間の順序が実体を決めるのじゃ。
3項:保証にも準用
前二項の規定は、第四百七十二条第一項の規定により債務者が免れる債務の保証をした者があるときについて準用する。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
物的担保だけでなく、保証にも同じ扱いじゃ。保証人保証人主たる債務者が債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う者(民法446条1項)。用語ページを見る →の承諾を得て、あらかじめ又は同時に意思表示をする——そうすれば保証も引受人の債務に移る、と読める。
**保証人は、必ず「引受人以外の者」**じゃな。だから1項ただし書により、必ず承諾が要る——そこは自動的に決まるのじゃ。
4項:保証の承諾は書面で
前項の場合において、同項において準用する第一項の承諾は、書面でしなければ、その効力を生じない。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
保証人の承諾だけ、書面が要るんだ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法446条2項と同じ思想じゃ。 保証は軽々しく負わせぬ——要式で守るのじゃな。
物上保証人の承諾には、この定めがない。 保証人の承諾だけが書面を要する——そこが引っかけどころじゃぞ。
5項:電磁的記録
前項の承諾がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その承諾は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法446条3項と同じ手当てじゃな。 紙でなくとも、記録が残ればよい——現代に合わせた一項じゃ。
整理
| 担保の種類 | 承諾は必要か | 書面は必要か |
|---|---|---|
| 引受人自身が設定した担保権 | 不要(1項ただし書の反対解釈) | — |
| 引受人以外の者が設定した担保権 | 必要(1項ただし書) | 条文に定めなし |
| 保証 | 必要(3項・1項ただし書) | 必要(4項。電磁的記録可・5項) |
資格別の演習
債権者は、免責的債務引受により債務者が免れる債務の担保として設定された担保権を引受人が負担する債務に移すことができるが、引受人以外の者がこれを設定した場合にはその承諾を得なければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法472条の4第1項がそのとおり定めています。
免責的債務引受による担保権の移転は、あらかじめ又は同時に引受人に対してする意思表示によってしなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法472条の4第2項がそのとおり定めています。
免責的債務引受により債務者が免れる債務の保証をした者の承諾は、口頭でもその効力を生ずる。
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解答:×
誤りです。民法472条の4第4項は、この承諾は書面でしなければその効力を生じないと定めています(同条5項により電磁的記録による場合は書面によるものとみなされます)。