民法第257条・物権
民法第257条:分割請求できない共有物
境界線上の境界標や囲障は、共有でありながら分割を請求できません。「いつでも分割できる」という原則の、ただ一つの例外規定です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「いつでも分割を請求できる」(民法256条1項)……。じゃあ、境界の杭も半分こにできるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
それは困る。だから民法257条が、そこだけ切り離しておるのじゃ。
条文の内容
前条の規定は、第二百二十九条に規定する共有物については、適用しない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 適用されない規定 | 前条(民法256条=分割請求) |
| 対象 | 民法229条に規定する共有物 |
民法229条が挙げるのは、境界線上に設けた次の5つです。
| # | 物 |
|---|---|
| ① | 境界標境界標土地の境界を示すために設ける目印のこと。隣地の所有者と共同の費用で設けることができます(民法223条)。用語ページを見る → |
| ② | 囲障囲障隣り合う建物の境界に設ける囲いのこと。協議が調わないときは、板塀や竹垣その他これらに類する材料で高さ2メートルのものとされます(民法225条2項)。用語ページを見る → |
| ③ | 障壁障壁隣り合う土地や建物を隔てる壁のこと。境界線上に設けたものは相隣者の共有に属すると推定されます(民法229条)。用語ページを見る → |
| ④ | 溝 |
| ⑤ | 堀 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
どうして分けられないの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
考えてみよ。境界の杭を分割して、半分をどちらかの単独所有にしたら——境界を示すという役目そのものが壊れるじゃろう。囲いも壁も同じでな、両者の間に立っておるからこそ意味がある。
条文は理由を書いておらぬが、民法229条が挙げる物の性質を見れば、おのずと察しがつこう。
「分けられない共有」という例外
| 通常の共有 | 民法229条の共有物 | |
|---|---|---|
| 分割請求 | いつでもできる(民法256条1項) | できない(民法257条) |
| 不分割契約 | 5年まで(同項ただし書) | — |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法256条1項の「いつでも」がいかに強い原則であっても、例外はある。そしてその例外は、条文で正面から書かれておる。原則と例外は、必ず条文の対で押さえる——それが法律の読み方じゃ。
資格別の演習
民法229条に規定する共有物については、民法256条の分割請求の規定は適用されない。
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解答:◯
正しい記述です。民法257条がそのとおり定めています。
境界線上に設けた境界標について、各共有者はいつでもその分割を請求することができる。
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解答:×
誤りです。境界標は民法229条に規定する共有物であり、民法257条により民法256条の分割請求の規定は適用されません。
境界線上に設けた囲障、障壁、溝及び堀についても、民法257条により分割請求の規定は適用されない。
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解答:◯
正しい記述です。民法229条は境界標のほか囲障・障壁・溝・堀を挙げており、これらすべてが民法257条の対象となります。