民法第288条・物権
民法第288条:承役地の所有者の工作物の使用
承役地の所有者も、地役権のために設けられた工作物を使えます。使うなら、利益を受ける割合に応じて費用を分担します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
うちの土地(承役地承役地地役権者以外の者の土地であって、要役地の便益に供されるもの(民法285条1項)。便益を与える側の土地です。用語ページを見る →)に、隣の人が通路を作ったの。わたしもその通路を使っていい?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
使えるとも。民法288条じゃ。自分の土地の上にあるのじゃからな。ただし条件が2つ付いておる。
1項:地役権の行使を妨げない範囲で
承役地の所有者は、地役権の行使を妨げない範囲内において、その行使のために承役地の上に設けられた工作物を使用することができる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 承役地の所有者 |
| 条件 | 地役権の行使を妨げない範囲内において |
| 対象 | その行使のために承役地の上に設けられた工作物工作物人が土地に手を加えて設けた物のこと。建物・橋・トンネルなどを指し、地上権の目的(民法265条)や相隣関係の条文にたびたび登場します。用語ページを見る → |
| 効果 | 使用することができる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「妨げない範囲内」。地役権のほうが優先なんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
自分の土地でも、そこは譲らねばならぬ。地役権地役権設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利(民法280条)。通行や引水のために設定されます。用語ページを見る →を設定した以上、その行使を妨げるようでは約束が崩れるからのう。
最判平成14年10月15日(民集第56巻8号1791頁)が、他人の給排水設備の使用について「予定される効用を著しく害するなどの特段の事情のない限り」使用できるとしておったのを思い出すとよい。使わせるが、壊すな——共通する考え方じゃな。
2項:利益を受ける割合に応じた費用分担
前項の場合には、承役地の所有者は、その利益を受ける割合に応じて、工作物の設置及び保存の費用を分担しなければならない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 承役地の所有者 |
| 割合 | その利益を受ける割合に応じて |
| 対象 | 工作物の設置及び保存の費用 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「利益を受ける割合に応じて」! 何度も見た言葉だ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。並べてみよ。
| 条文 | 場面 |
|---|---|
| 民法213条の2第7項 | 他人の設備を使用する者 |
| 民法221条2項 | 通水用工作物の使用 |
| 民法222条3項 | 堰の使用(221条2項を準用) |
| 民法288条2項 | 地役権のための工作物の使用 |
使わせてもらうなら、利益に応じて持つ。物権編を貫く一本の筋じゃな。
資格別の演習
承役地の所有者は、地役権の行使を妨げない範囲内において、その行使のために承役地の上に設けられた工作物を使用することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法288条1項がそのとおり定めています。
承役地の所有者が地役権のための工作物を使用する場合には、その利益を受ける割合に応じて、工作物の設置及び保存の費用を分担しなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法288条2項がそのとおり定めています。
承役地の所有者は、自己の土地上の工作物であるから、地役権の行使を妨げる場合であってもこれを自由に使用することができる。
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解答:×
誤りです。民法288条1項は「地役権の行使を妨げない範囲内において」使用できるとしています。