民法第356条・物権
民法第356条:不動産質権者による使用及び収益
不動産質では、質権者が目的物を使って収益を上げられます。動産質にはない、不動産質だけの効力です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
質権質権債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、その物について他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法342条)。設定には目的物の引渡しが必要です(民法344条)。用語ページを見る →って、預かるだけで使っちゃダメだったよね(民法298条2項の準用)。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
動産質ならな。じゃが不動産質は違う。民法356条を見よ。使ってよいし、収益を上げてもよいのじゃ。
条文の内容
不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 不動産質権者 |
| どのように | 質権の目的である不動産の用法に従い |
| 効果 | その使用及び収益をすることができる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
借りているみたいに使えるんだ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが不動産質の特色じゃ。土地や建物は、置いておくだけでは何も生まぬ。畑なら耕し、家なら貸してこそ値打ちがある。
そして条文は「用法に従い」と枠をはめておる。宅地を勝手に工場にする、といったことは許されぬ、と読める。
3つの効果はセット
不動産質には、次の3つがまとまって定められています。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 民法356条 | 使用及び収益ができる |
| 民法357条 | 管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う |
| 民法358条 | その債権の利息を請求できない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
使える代わりに、費用も持つし、利息ももらえないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よい掴み方じゃ。収益を得るかわりに、利息を諦め、負担を引き受ける——3か条で釣り合いが取れておる。
民法350条により、動産質には民法297条(果実果実物から生じる収益のこと。作物などの天然果実と、賃料などの法定果実があります(民法88条)。善意の占有者はこれを取得できます(民法189条1項)。用語ページを見る →の収取)が準用されておった。あちらは果実を債権の弁済に充当する形じゃ。不動産質は、収益をまるごと自分のものにして、そのかわり利息を請求せぬ——考え方が違うのう。
別段の定めがあるとき
民法359条は、次のように定めます。
前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
3か条まとめて外せる。当事者が別に決めるなら、それに従うのじゃな。任意規定任意規定当事者が異なる合意をすればそちらが優先する規定。民法91条にいう「公の秩序に関しない規定」がこれにあたります。用語ページを見る →じゃ。
資格別の演習
不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法356条がそのとおり定めています。
不動産質権者は、管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。
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解答:◯
正しい記述です。民法357条がそのとおり定めています。使用収益ができること(民法356条)と対をなす規定です。
民法356条から358条までの規定は、設定行為に別段の定めがあるときは適用されない。
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解答:◯
正しい記述です。民法359条がそのとおり定めています。担保不動産収益執行の開始があったときも同様です。