民法第570条・債権
民法第570条:抵当権等がある場合の買主による費用の償還請求
契約に適合しない先取特権・質権・抵当権があり、買主が費用を支出して所有権を保存したときは償還を請求できます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
買った家に抵当権が付いてて、自腹で外した。この分は取り返せるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
取り返せる。 民法570条じゃ。費用を出して所有権を守った買主に、償還請求権を与えておる。
条文
買い受けた不動産について契約の内容に適合しない先取特権、質権又は抵当権が存していた場合において、買主が費用を支出してその不動産の所有権を保存したときは、買主は、売主に対し、その費用の償還を請求することができる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象 | 買い受けた不動産 |
| 存在した担保 | 契約の内容に適合しない**先取特権先取特権法律の規定に従い、債務者の財産から他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法303条)。当事者の契約ではなく法律によって当然に生じる担保物権です。用語ページを見る →、質権質権債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、その物について他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法342条)。設定には目的物の引渡しが必要です(民法344条)。用語ページを見る →又は抵当権抵当権目的物の占有を移さずに設定できる担保物権(民法369条以下)。先取特権の効力については、その性質に反しない限り抵当権の規定が準用されます(民法341条)。用語ページを見る →** |
| 買主の行為 | 費用を支出してその不動産の所有権を保存 |
| 効果 | 売主に対しその費用の償還を請求することができる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
三つの担保物権が並んでるね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
登記されうる担保が並んでおるのう。いずれも実行されれば、買主は所有権を失いかねぬ。
そして「契約の内容に適合しない」という限定に注意せよ。 抵当権が付いていることを承知で、その分を代金に織り込んで買ったのなら、それは契約の内容に適合しておる——本条の出番はない、と読める。
「所有権を保存した」
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
所有権を守るために、具体的に何をするんだろう。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
たとえば民法474条の第三者の弁済第三者の弁済債務者以外の第三者がする弁済のこと。原則としてすることができますが、正当な利益を有しない第三者には制限があります(民法474条)。用語ページを見る →で被担保債権を消す、民法378条の代価弁済代価弁済抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を弁済すること。これにより抵当権はその第三者のために消滅します(民法378条)。用語ページを見る →、民法379条以下の抵当権消滅請求抵当権消滅請求抵当不動産の第三取得者が、代価等を提供して抵当権の消滅を求める手続(民法379条・383条)。主たる債務者・保証人及びその承継人はすることができません(民法380条)。用語ページを見る →——買主が使える道は、抵当権の章にも用意されておった。
それらを使って支出した費用を、売主から取り戻す——その受け皿が民法570条じゃな。
買主が自分で動いた場合の規定——支払を拒むだけの民法577条とは、向きが違うぞ。
資格別の演習
買い受けた不動産について契約の内容に適合しない抵当権が存していた場合において、買主が費用を支出してその不動産の所有権を保存したときは、買主は売主に対しその費用の償還を請求することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法570条がそのとおり定めています。
民法570条の対象となる担保物権は、先取特権、質権及び抵当権である。
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解答:◯
正しい記述です。民法570条は「先取特権、質権又は抵当権」と定めています。
買主が抵当権の存在を承知して不動産を買い受けた場合であっても、費用を支出して所有権を保存したときは、民法570条により費用の償還を請求することができる。
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解答:×
誤りです。民法570条は「契約の内容に適合しない」先取特権、質権又は抵当権が存していた場合について定めています。