民法第644条の2・債権
民法第644条の2:復受任者の選任等
受任者は委任者の許諾又はやむを得ない事由がなければ復受任者を選任できず、代理権付与の委任では復受任者が委任者に直接の権利義務を持ちます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
頼まれた仕事を、別の人に回してもいいの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
原則できぬ。 民法644条の2第1項じゃ。復受任者復受任者受任者がさらに委任事務の処理を委託した相手方のこと。委任者の許諾又はやむを得ない事由がなければ選任できません(民法644条の2第1項)。用語ページを見る →の選任には、二つの入口のどちらかが要る。
条文
1 受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない。
2 代理権を付与する委任において、受任者が代理権を有する復受任者を選任したときは、復受任者は、委任者に対して、その権限の範囲内において、受任者と同一の権利を有し、義務を負う。
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ選任できない |
| 2項 | 代理権を付与する委任で代理権を有する復受任者を選任したときは、復受任者は委任者に対して、その権限の範囲内において受任者と同一の権利義務 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
委任は、その人だから頼んだわけだもんね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが1項の根じゃ。 人的な信頼を軸とする契約——勝手に代わられては困る。
同じ発想は民法625条2項(雇用雇用当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対して報酬を与えることを約する契約(民法623条)。用語ページを見る →)、民法612条1項(賃貸借賃貸借当事者の一方が物の使用収益を相手方にさせ、相手方が賃料を支払い、契約終了時に物を返還することを約する契約(民法601条)。用語ページを見る →)、民法594条2項(使用貸借使用貸借借主が無償で使用収益をし、契約終了時に返還することを約する契約(民法593条)。無償である点で賃貸借と異なります。用語ページを見る →)にも見えるのう。
民法104条の復代理人復代理人代理人が選任する、本人の代理人のこと。「代理人の代理人」ではなく、その権限内の行為について本人を代表します(民法106条1項)。用語ページを見る →の選任も、任意代理人については同じ形じゃった。
2項——委任者との直接の関係
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
「委任者に対して……受任者と同一の権利を有し、義務を負う」——委任者と復受任者の間に、直接の関係が生まれる、と読める。
ただし条件がついておる。 「代理権を付与する委任において」「代理権を有する復受任者を選任したとき」——代理権が絡む場面に限られておるのう。
そして「その権限の範囲内において」——受任者が持っておる以上のものは渡らぬ。
民法107条以下の復代理の規定と並べて読むとよいぞ。
資格別の演習
受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法644条の2第1項がそのとおり定めています。
代理権を付与する委任において受任者が代理権を有する復受任者を選任したときは、復受任者は委任者に対して、その権限の範囲内において受任者と同一の権利を有し、義務を負う。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法644条の2第2項がそのとおり定めています。
受任者は、自己の判断で自由に復受任者を選任することができる。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法644条の2第1項は、委任者の許諾又はやむを得ない事由があるときでなければ復受任者を選任することができないと定めています。