民法第114条・総則
民法第114条:無権代理の相手方の催告権
相手方は本人に対し、相当の期間を定めて追認するかどうかの催告ができます。確答がなければ追認を拒絶したものとみなされる点が、民法20条と逆向きです。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
無権代理だと分かったけど、本人が追認するかどうか黙ったまま。相手方はいつまで待てばいいの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
待たずともよい。民法114条が、相手方に**催告催告相手に対して「〜してほしい」と促す通知のこと。制限行為能力者の相手方は、追認するかどうかの確答を求める催告ができます(民法20条)。用語ページを見る →権**を与えておる。しかも確答がなければ——追認を拒絶したものとみなす。民法20条を覚えておる者ほど、ここで驚くはずじゃ。
条文の内容
前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 誰が | 無権代理の相手方 |
| 誰に | 本人に対し |
| 期間 | 相当の期間を定めて |
| 内容 | その期間内に追認追認取り消すことができる行為を、あとから「これでよい」と認めて、もう取り消せないものとして確定させること(民法122条)。用語ページを見る →をするかどうかを確答すべき旨 |
| 確答がないとき | 追認を拒絶したものとみなす |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「相当の期間」って、何日とは書いてないんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこも見どころじゃ。民法20条1項は「一箇月以上の期間」と数字で書いておった。ここは「相当の期間」じゃ。条文が数字を置いたところと、置かなかったところ——その違いに気づけるかが力の差になるぞ。
民法20条と逆向きであること
制限行為能力者の相手方の催告権(民法20条)と並べると、沈黙の扱いが逆になっています。
| 民法20条1項・2項 | 民法114条 | |
|---|---|---|
| 場面 | 制限行為能力者制限行為能力者未成年者・成年被後見人・被保佐人・民法17条1項の審判を受けた被補助人の4者をまとめた呼び名(民法13条1項10号)。用語ページを見る →との取引 | 無権代理無権代理代理権を有しない者が他人の代理人としてする行為のこと。本人が追認しなければ本人に効力を生じません(民法113条1項)。用語ページを見る → |
| 期間 | 1か月以上 | 相当の期間 |
| 確答がないとき | 追認したものとみなす | 追認を拒絶したものとみなす |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
同じ「催告して、黙ってたら」なのに、結論が正反対!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこには理屈があるのじゃ。民法20条1項・2項で催告を受けるのは、すでに行為能力者となった本人や、権限内で決められる保護者じゃ。自分で追認を確定できる立場にある者の沈黙は「異存なし」と読んでよい。
じゃが114条の本人は違う。そもそも自分は何もしておらぬ。知らぬところで勝手に契約されただけの立場じゃ。その者の沈黙を「承知した」と読むのは酷であろう。だから拒絶とみなすのじゃな。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「関わっていない人の沈黙は、引き受けたことにならない」ってことか。
相手方が使える手段
| 条文 | 手段 | 相手方の主観による制限 |
|---|---|---|
| 民法114条 | 本人への催告 | 条文に定めなし |
| 民法115条 | 契約の取消し | 契約の時に代理権のないことを知っていたときはできない |
| 民法117条1項 | 無権代理人への履行又は損害賠償の請求 | 同条2項の各号にあたるときは適用なし |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
115条と117条には主観による制限があるが、114条には無い。悪意の相手方でも催告はできる、と条文からは読める。催告は宙づりを終わらせるだけで、相手方が何かを得るものではないからのう。
資格別の演習
無権代理の相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法114条前段がそのとおり定めています。催告の相手は本人であり、無権代理人ではありません。
無権代理の相手方が本人に対して催告をしたにもかかわらず、本人がその期間内に確答をしなかったときは、追認をしたものとみなされる。
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解答:×
誤りです。民法114条後段は「追認を拒絶したものとみなす」と定めています。追認したものとみなされるのは、民法20条1項・2項の催告に対して確答がなかった場合です。
民法114条の催告は、1か月以上の期間を定めてしなければならない。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法114条は「相当の期間を定めて」と定めており、具体的な日数を置いていません。「一箇月以上の期間」と定めているのは民法20条1項です。