民法第398条の21・物権
民法第398条の21:根抵当権の極度額の減額請求
元本確定後、設定者は極度額を現在の債務額+2年分に減らすよう請求できます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
元本の確定元本の確定根抵当権が担保する元本債権が特定されること。確定前は債権の範囲や債務者を変更できますが、確定後はできなくなります(民法398条の4・398条の19以下)。用語ページを見る →したのに極度額極度額根抵当権が担保する限度額のこと。根抵当権者は、確定した元本・利息・損害賠償の全部について、この額を限度に権利を行使できます(民法398条の3第1項)。用語ページを見る →が大きいままだと、設定者は困らない?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこを救うのが民法398条の21じゃ。減額を請求できる。しかも承諾は要らぬ——民法398条の5との違いが際立つのう。
1項:減額請求
元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現に存する債務の額と以後二年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| いつ | 元本の確定後 |
| 誰が | 根抵当権設定者 |
| いくらに | 現に存する債務の額 + 以後2年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「以後2年間」! 民法375条の2年分と同じ数字だ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう気づいたのう。民法375条は普通抵当権の利息を最後の2年分に限る規定じゃった。
根抵当権根抵当権一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保する抵当権(民法398条の2)。継続的な取引から生じる債権をまとめて担保できます。用語ページを見る →では極度額があるゆえ375条の制限はない(民法398条の3第1項)。じゃが確定してしまえば、担保すべき額はもう増えぬ。そこで2年という物差しが戻ってくる——民法の中で数字が響き合っておるのう。
承諾は要らない
| 極度額を動かす行為 | 承諾 | |
|---|---|---|
| 民法398条の5 | 極度額の変更(合意による) | 利害関係を有する者の承諾が必要 |
| 民法398条の21 | 極度額の減額請求(一方的) | 条文に定めなし |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
減らす方向だから、誰も困らないんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そう読めるのう。極度額が減れば、後順位の抵当権者はむしろ得をする。民法398条の5が承諾を求めたのは、増える方向で他人の取り分が減るからじゃ。
そして条文は「請求することができる」じゃ。合意ではなく一方的な請求——設定者に与えられた武器じゃな。
2項:共同根抵当なら1個で足りる
第三百九十八条の十六の登記がされている根抵当権の極度額の減額については、前項の規定による請求は、そのうちの一個の不動産についてすれば足りる。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
共同根抵当共同根抵当数個の不動産について、設定と同時に同一債権の担保である旨の登記をした根抵当権(民法398条の16)。この登記がある場合に限り、共同抵当の規定が適用されます。用語ページを見る →では1個の不動産についてすれば足りる。
民法398条の17第1項が「すべての不動産について登記をしなければ、その効力を生じない」と厳しくしておったのと、正反対の扱いじゃな。設定者に有利な方向は、手続を軽くする——そういう仕分けと読めような。
確定後の2つの武器
| 条文 | 設定者側ができること |
|---|---|
| 民法398条の21 | 極度額の減額請求 |
| 民法398条の22 | 根抵当権の消滅請求(極度額相当額を払い渡し又は供託) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
減らすか、消すか。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。確定してはじめて開く2つの道——第四節の締めくくりにふさわしい並びじゃな。
資格別の演習
元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現に存する債務の額と以後2年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法398条の21第1項がそのとおり定めています。
民法398条の16の登記がされている根抵当権の極度額の減額請求は、そのうちの一個の不動産についてすれば足りる。
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解答:◯
正しい記述です。民法398条の21第2項がそのとおり定めています。
民法398条の21による極度額の減額請求をするには、利害関係を有する者の承諾を得なければならない。
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解答:×
誤りです。承諾を要求しているのは民法398条の5の極度額の変更であり、民法398条の21は設定者が一方的に「請求することができる」と定めています。