民法第333条・物権

民法第333条:先取特権と第三取得者

動産が第三取得者に引き渡されると、もう先取特権を行使できません。動産の先取特権のいちばんの弱点です。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

売った商品を、相手がすぐ転売しちゃったら? 先取特権先取特権さきどりとっけん法律の規定に従い、債務者の財産から他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法303条)。当事者の契約ではなく法律によって当然に生じる担保物権です。用語ページを見る →はどうなるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

民法333条じゃ。もう行使できぬ。動産の先取特権の、いちばんの弱点じゃな。

条文の内容

先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。

要素 条文の言葉
場面 債務者がその目的である動産を**第三取得者第三取得者だいさんしゅとくしゃ担保の目的物を取得した第三者のこと。先取特権は、債務者が目的である動産を第三取得者に引き渡した後は行使できません(民法333条)。用語ページを見る →に引き渡した**後
効果 その動産について行使することができない

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「引き渡した後は」……。引渡しが分かれ目なんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そのとおり。先取特権は登記登記とうき不動産の権利関係を法務局の登記簿に記録して公示する制度。不動産の物権変動は、登記をしないと第三者に主張できません。用語ページを見る →のような公示を持たぬからのう。買った者からすれば、その動産に先取特権が付いておるとは分からぬ。だから引渡しを境に切ることで、取引の相手を守っておるのじゃ。

対象は動産じゃ。不動産については民法337条〜340条が登記を求めておるゆえ、公示によって処理される。

民法304条の物上代位で追う

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

じゃあ、転売されたら泣き寝入り?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこで物上代位物上代位ぶつじょうだいい担保の目的物が売却・賃貸・滅失・損傷したときに、債務者が受けるべき金銭などに対して権利を行使すること(民法304条1項)。払渡し又は引渡しの前に差押えが必要です。用語ページを見る →(民法304条)じゃ。物は追えぬが、転売代金債権は追える。ただし「払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない」——ここも急ぎ仕事じゃな。

最判平成17年2月22日(民集第59巻2号314頁)は、目的債権が譲渡され対抗要件が備えられた後は物上代位権を行使できないとしておった。333条で物を失い、304条ただし書で債権も逃す——動産売買の先取特権は、時間との勝負なのじゃ。

判例:取り戻して代物弁済に供した場合

最判平成9年12月18日(民集第51巻10号4210頁)

判示事項は、動産の買主が転売先から取り戻した動産を売主に対する売買代金債務の代物弁済に供した行為が、破産法による否認の対象になるかです。裁判要旨は次のとおりです。

甲から動産を買い受けた乙がこれを丙に転売して引き渡したことにより、甲が右動産に対して動産売買の先取特権を行使し得なくなったところ、その後に支払を停止した乙が、右動産を甲に返還する意図の下に、丙との間で転売契約を合意解除して右動産を取り戻した上、甲に対する右動産の売買代金債務の代物弁済に供したなど判示の事実関係の下においては、乙が右動産を代物弁済に供した行為は、破産法七二条四号による否認の対象になる。

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

いったん転売して先取特権が消えたのに、取り戻して売主に返した……。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

要旨の流れをよう追うのじゃ。転売・引渡しによって民法333条が働き、先取特権は行使できなくなっておる。その後に取り戻して代物弁済に供する行為は、他の債権者を害する偏頗な弁済と見られたわけじゃな。

参照法条に民法333条が挙がっておるとおり、333条で先取特権が消えたことが出発点になっておる。条文の効き目の大きさが分かろう。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。

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解答:◯

正しい記述です。民法333条がそのとおり定めています。

司法書士正誤問題AI生成類題

民法333条により先取特権を行使できなくなった場合、先取特権者はもはや何らの権利も行使できない。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法304条により、目的物の売却によって債務者が受けるべき金銭に対して物上代位権を行使できます。ただし払渡し又は引渡しの前に差押えが必要です。

司法試験正誤問題AI生成類題

民法333条が適用されるのは、目的である動産が第三取得者に引き渡された場合である。

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解答:◯

正しい記述です。条文は「その目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は」としています。

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