民法第275条・物権
民法第275条:永小作権の放棄
3年以上まったく収益がない、または5年以上小作料に満たない。不可抗力でそこまで追い込まれたら、永小作人は権利を放棄できます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
小作料小作料永小作権に基づいて土地を耕作・牧畜するために支払う対価のこと。2年以上の滞納があると、土地の所有者は永小作権の消滅を請求できます(民法276条)。用語ページを見る →は減らしてもらえない(民法274条)。でも何年も不作が続いたら、さすがに耐えられないよ……。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのための出口が民法275条じゃ。数字が2つ出てくるゆえ、しっかり押さえるのじゃぞ。
条文の内容
永小作人は、不可抗力によって、引き続き三年以上全く収益を得ず、又は五年以上小作料より少ない収益を得たときは、その権利を放棄することができる。
| 場合 | 条文の言葉 |
|---|---|
| ① | 不可抗力によって、引き続き3年以上全く収益を得ず |
| ② | 5年以上小作料より少ない収益を得た |
| 効果 | その権利を放棄することができる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「まったく収益なし」なら3年、「小作料より少ない」なら5年。程度が軽いぶん、長く待つんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
うまい掴み方じゃ。苦しさの深さと、耐えるべき年数が釣り合っておる。
そして両方に「不可抗力によって」がかかっておる。自分の怠慢で収益が上がらなかった者までは救わぬ、ということじゃな。
民法274条・276条との三つ組み
| 条文 | 誰のための規定か | 内容 |
|---|---|---|
| 民法274条 | 土地の所有者 | 不可抗力でも減免を請求できない |
| 民法275条 | 永小作人 | 一定の場合に放棄できる |
| 民法276条 | 土地の所有者 | 2年以上の滞納で消滅請求できる |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
三つ並べると、民法の均衡感覚が見えてこよう。払えと迫る条文(274条)、抜けさせる条文(275条)、切り捨てる条文(276条)。どちらか一方に肩入れしてはおらぬのじゃ。
ここでも数字に注意じゃ。3年・5年(275条)と2年(276条)。混ぜぬようにな。
慣習と地上権への準用
- 民法277条により、**異なる慣習慣習その社会や取引で繰り返し行われてきたやり方のこと。任意規定と異なる慣習は、当事者がそれによる意思を有していると認められるときに従われます(民法92条)。用語ページを見る →**があるときはその慣習に従います
- 民法266条1項により、定期の地代地代土地を使わせてもらう対価として支払う金銭のこと。地上権では必ずしも必要ではなく、支払う場合には民法274条から276条までの規定が準用されます(民法266条1項)。用語ページを見る →を支払う地上権地上権他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する物権(民法265条)。同じ「借りて使う」でも、債権である賃借権とは性質が異なります。用語ページを見る →者に準用されます
資格別の演習
永小作人は、不可抗力によって引き続き3年以上全く収益を得なかったときは、その権利を放棄することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法275条がそのとおり定めています。
永小作人は、不可抗力によって3年以上小作料より少ない収益しか得られなかったときは、その権利を放棄することができる。
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解答:×
誤りです。民法275条は「五年以上小作料より少ない収益を得たとき」としています。3年以上とされているのは「全く収益を得ず」の場合です。
民法275条による放棄が認められるには、収益の損失が不可抗力によるものであることが必要である。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。条文は「不可抗力によって」と明示しています。