民法第320条・物権
民法第320条:動産保存の先取特権
動産を保存するために使った費用に、その動産から優先弁済を受けられます。価値を守った人を報いる仕組みです。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
他人の物を修理して、その価値を保った人。その費用は優先してもらえるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法320条じゃ。その動産から優先弁済を受けられる。民法311条4号に対応する条文じゃな。
条文の内容
動産の保存の先取特権は、動産の保存のために要した費用又は動産に関する権利の保存、承認若しくは実行のために要した費用に関し、その動産について存在する。
被担保債権は2つに分かれます。
| # | 費用 |
|---|---|
| ① | 動産の保存のために要した費用 |
| ② | 動産に関する権利の保存・承認・実行のために要した費用 |
目的物は「その動産」です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
②は「動産に関する権利」の保存……。物そのものだけじゃないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう読んだのう。物の価値を守る費用と、その物についての権利を守る費用——条文は両方を挙げておる。時効の完成を防いだ費用や、権利の実行にかかった費用などが考えられよう。
第2順位に置かれる理由
民法330条1項は、動産の保存の先取特権を第2順位としています。同項後段には、さらに特則があります。
この場合において、第二号に掲げる動産の保存の先取特権について数人の保存者があるときは、後の保存者が前の保存者に優先する。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
後から保存した人のほうが勝つ! ふつうは早い者勝ちなのに。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが面白いところじゃ。考えてみよ。後の保存者がいなければ、その物は今ここに残っておらぬ。前の保存者が守った価値も、後の保存者のおかげで生き延びておる——そう見れば、後の者を優先するのが筋じゃろう。
民法330条2項後段も見よ。「第一順位の先取特権者のために物を保存した者に対しても、同様とする」——第1順位の者ですら、自分のために保存してくれた者には譲る、という定めじゃ。保存した者は厚く守られておるのう。
民法307条との響き合い
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
共益の費用共益の費用各債権者の共同の利益のためにされた債務者の財産の保存・清算・配当に関する費用(民法307条1項)。一般の先取特権のなかで第1順位に置かれます。用語ページを見る →(民法307条)を思い出すのじゃ。あちらも財産の保存に関する費用じゃった。そして一般の先取特権一般の先取特権債務者の総財産について成立する先取特権(民法306条)。共益の費用・雇用関係・子の監護の費用・葬式の費用・日用品の供給の5つの原因によって生じます。用語ページを見る →の第1順位。
保っておかねば、分けるべきものが無くなる——民法は、この考え方を一般の先取特権でも動産の先取特権でも一貫して採っておるのじゃな。
資格別の演習
動産の保存の先取特権は、動産の保存のために要した費用に関し、その動産について存在する。
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解答:◯
正しい記述です。民法320条がそのとおり定めています。動産に関する権利の保存・承認・実行のために要した費用も対象です。
動産の保存の先取特権について数人の保存者があるときは、後の保存者が前の保存者に優先する。
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解答:◯
正しい記述です。民法330条1項後段がそのとおり定めています。
第1順位の先取特権者は、その者のために物を保存した者に対して優先権を行使することができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法330条2項後段がそのとおり定めています。