民法第25条・総則

民法第25条:不在者の財産の管理

住所や居所を去った人が財産の管理人を置かなかったとき、家庭裁判所が必要な処分を命じます。本人がいない間、残された財産をどう守るかを定める節の入口です。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

家を出たきり連絡がつかない人の家や土地って、どうなっちゃうの? 誰も手を入れられないまま荒れていくの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこを放っておかぬのが民法25条じゃ。ここから第五節「不在者の財産の管理及び失踪の宣告」が始まる。まずは財産を守り、それでも生死が知れぬなら死亡とみなす——二段構えの、その一段目じゃな。

条文の内容

1項:必要な処分を命ずる

従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。

この1項が、民法の中で**「不在者」と「管理人」を定義**しています。

条文上の定義
不在者不在者ふざいしゃ従来の住所又は居所を去った者のこと(民法25条1項)。生死が明らかでないことまでは、この語の要件になっていません。用語ページを見る → 従来の住所住所じゅうしょその人の生活の本拠のこと(民法22条)。届出や住民票の記載ではなく、実際の暮らしの実態から判断されます。用語ページを見る →又は居所居所きょしょ住所が知れない場合に、住所とみなされる場所(民法23条1項)。民法は「居所」そのものの定義を置いていません。用語ページを見る →を去った者
管理人 不在者の財産の管理人(この節において単に「管理人」という)

要件と効果は次のとおりです。

要素 内容
対象 不在者が管理人を置かなかったとき
請求できる者 利害関係人利害関係人りがいかんけいにんその処分がされるかどうかによって、自分の法律上の立場が左右される人。民法25条や30条で、家庭裁判所へ請求できる者として挙げられています。用語ページを見る →又は検察官
誰が 家庭裁判所家庭裁判所かていさいばんしょ家庭に関する事件などを扱う裁判所。後見・保佐・補助を開始する審判と、その取消しの審判はここが行います。用語ページを見る →
何を その財産の管理について必要な処分を命ずることができる
後段 本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも同様

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「不在者」って、行方不明の人ってこと?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

条文をよう読むのじゃ。書いてあるのは「従来の住所又は居所を去った者」だけ。生死が明らかでないことは、1項の要件になっておらん。生死不明が効いてくるのは民法26条や27条2項じゃ。ここは混ぜてはならぬぞ。

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

検察官が請求できるのが意外……。個人の財産の話なのに。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

身寄りが無く、請求する利害関係人利害関係人りがいかんけいにんその処分がされるかどうかによって、自分の法律上の立場が左右される人。民法25条や30条で、家庭裁判所へ請求できる者として挙げられています。用語ページを見る →すらおらぬ場合もあるからのう。そのときに財産が誰にも守られぬまま朽ちていくのを避けるための道じゃ。

2項:本人が管理人を置いたとき

前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。

要素 内容
場面 1項の命令に、本人が管理人を置いたとき
請求できる者 その管理人・利害関係人・検察官
効果 家庭裁判所は、その命令を取り消さなければならない

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

「取り消すことができる」ではなく「取り消さなければならない」じゃ。本人が自分で管理人を立てたのなら、裁判所が世話を焼く理由は無くなる。本人の意思が戻ってきたら、そちらを立てるという筋じゃな。

「管理人を置かなかったとき」という入口

1項が動くのは、不在者が管理人を置かなかったときです。逆に言えば、本人が自分で管理人を置いていれば、まずはその管理人に委ねられます。

場面 扱う条文
不在者が管理人を置かなかった 民法25条1項(家庭裁判所が必要な処分を命ずる)
本人の不在中に管理人の権限が消滅した 民法25条1項後段(同様に必要な処分)
命令後に本人が管理人を置いた 民法25条2項(命令を取り消さなければならない)
不在者が管理人を置いたが、生死が明らかでない 民法26条(管理人の改任

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

本人が置いた管理人がいても、生死が分からなくなったら話が変わるんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そう。そこが民法26条じゃ。この節は、本人の意思がどこまで生きているかで場面を切り分けておる。順に読めば、ちゃんと繋がっておるのじゃよ。

この節の規定は相続でも使われる

民法953条は、相続人のあることが明らかでない場合に選任される相続財産の清算人について、民法27条から29条までの規定を準用すると定めています。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

「持ち主が姿を見せぬ財産を、誰かに預けて守らせる」という形は、不在でも相続でも同じじゃ。だから民法はここで作った仕組みを、あちらでも使い回しておるのじゃな。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

従来の住所又は居所を去った者がその財産の管理人を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。

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解答:

正しい記述です。民法25条1項がそのとおり定めています。同項の括弧書きが「不在者」と「管理人」の定義を置いている点もあわせて確認してください。

司法書士正誤問題AI生成類題

民法25条1項により家庭裁判所が財産の管理について必要な処分を命ずるには、不在者の生死が明らかでないことを要する。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法25条1項が定める要件は「従来の住所又は居所を去った者……がその財産の管理人を置かなかったとき」であり、生死が明らかでないことは要件とされていません。生死が明らかでないことが要件となるのは、民法26条の管理人の改任や、民法27条2項の目録作成命令です。

司法試験正誤問題AI生成類題

民法25条1項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。

解答・解説を見る

解答:

正しい記述です。民法25条2項がそのとおり定めています。「取り消すことができる」ではなく「取り消さなければならない」と書かれている点、また請求権者にその管理人自身が含まれている点が特徴です。

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