民法第398条の11・物権

民法第398条の11:根抵当権の処分

元本確定前は民法376条1項の処分ができません。ただし転抵当だけは認められています。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

民法376条で抵当権抵当権ていとうけん目的物の占有を移さずに設定できる担保物権(民法369条以下)。先取特権の効力については、その性質に反しない限り抵当権の規定が準用されます(民法341条)。用語ページを見る →は処分できたよね。根抵当権根抵当権ねていとうけん一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保する抵当権(民法398条の2)。継続的な取引から生じる債権をまとめて担保できます。用語ページを見る →もできるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこを定めるのが民法398条の11じゃ。原則できぬ。ただし転抵当だけは別——ただし書に救いがある条文じゃな。

1項:376条1項の処分はできない

元本の確定前においては、根抵当権者は、第三百七十六条第一項の規定による根抵当権の処分をすることができない。ただし、その根抵当権を他の債権の担保とすることを妨げない。

民法376条1項の処分 元本確定前の根抵当権
① 抵当権を他の債権の担保とする(転抵当) できる(ただし書)
② 抵当権の譲渡 できない
③ 抵当権の放棄 できない
④ 順位の譲渡・放棄 できない

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

①だけ生き残ってる!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

よう気づいたのう。転抵当は担保にするだけじゃ。根抵当権はそのまま残り、その上にもう一枚権利が乗る。枠そのものは動かぬ。

じゃが②〜④は違う。他の債権者に優先の利益を譲り渡す行為じゃ。担保する債権がまだ定まっておらぬのに順位だけ融通しては、何を譲ったのか分からぬ——そう読めような。

元本確定後は

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

1項は「元本の確定前においては」で始まっておる。裏を返せば、確定後は民法376条1項の処分ができる、と読める書きぶりじゃ。

確定すれば担保する債権が定まり、根抵当権は普通の抵当権に近い姿になるからのう。

2項:377条2項を適用しない

第三百七十七条第二項の規定は、前項ただし書の場合において元本の確定前にした弁済については、適用しない。

要素 条文の言葉
外される規定 民法377条2項(受益者の承諾なき弁済は受益者に対抗できない)
場面 1項ただし書の場合(=転抵当)において元本の確定前にした弁済

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

民法377条2項が使えないってことは……確定前の弁済は、そのまま有効なんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そういうことじゃ。普通の抵当権なら、処分の通知を受けた後に受益者の承諾なく弁済しても、受益者には対抗できぬ。

じゃが根抵当権では、元本確定前の弁済は日常の取引そのものじゃ。売掛金を払い、また借りる——その繰り返しが枠を動かしておる。いちいち転抵当権者の承諾を求めよ、では取引が止まってしまう。

だから2項が377条2項を外しておる。根抵当権の身軽さを守るための例外じゃな。

民法376条・377条と並べる

条文 普通抵当権 元本確定前の根抵当権
民法376条1項① 転抵当 できる できる(398条の11第1項ただし書)
民法376条1項②〜④ できる できない(398条の11第1項本文)
民法377条2項 適用あり 適用なし(398条の11第2項)

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

本則を引きつつ、必要なところだけ外す——第四節「根抵当」は、この作りの連続じゃ。民法398条の7が民法472条の4や518条を名指しで外しておったのと、同じ手つきじゃな。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

元本の確定前においては、根抵当権者は、民法376条1項の規定による根抵当権の処分をすることができないが、その根抵当権を他の債権の担保とすることは妨げられない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法398条の11第1項がそのとおり定めています。

司法書士正誤問題AI生成類題

元本の確定前においても、根抵当権者は、同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその根抵当権の順位を譲渡することができる。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法398条の11第1項本文は、元本の確定前は民法376条1項の規定による処分をすることができないとしています。認められるのは、ただし書の「その根抵当権を他の債権の担保とすること」に限られます。

司法試験正誤問題AI生成類題

根抵当権を他の債権の担保とした場合において元本の確定前にした弁済については、民法377条2項の規定は適用されない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法398条の11第2項がそのとおり定めています。

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