民法第132条・総則

民法第132条:不法条件

不法な条件を付した法律行為は無効です。「不法な行為をしないこと」を条件とする場合も同じく無効とされる、後段の一文が要点です。

  • 行政書士
  • 司法書士
  • 司法試験

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「悪いことをしたら報酬をあげる」なんて約束は、さすがに無効だよね?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

無効じゃ。民法132条前段がそう定めておる。じゃが、この条文の見どころは後段でな。「不法な行為をしないことを条件とするもの」も同じく無効なのじゃ。

条文の内容

不法な条件を付した法律行為は、無効とする。不法な行為をしないことを条件とするものも、同様とする。

前段 後段
条件の内容 不法な条件 不法な行為をしないこと
効果 法律行為は無効 同様(無効)

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

後段、変じゃない? 「悪いことをしないでね」って、いいことのはずでしょ?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこが引っかかるところじゃな。じゃが、よう考えてみよ。不法な行為をしないのは当たり前じゃ。それを条件にして何かを与えるということは、裏を返せば「報酬を出さねば不法な行為をしてもよい」と言うておるに等しい。

対価を積まねば守られぬ——そういう建て付けそのものが、認めがたいのじゃよ。

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

なるほど……。「お金を払うから犯罪をやめて」という取引を成立させないためなんだ。

民法90条との関係

公序良俗公序良俗こうじょりょうぞく「公の秩序又は善良の風俗」をまとめた呼び方。これに反する法律行為は無効です(民法90条)。用語ページを見る →に反する法律行為を無効とする民法90条と、発想は共通しています。

条文 対象 効果
民法90条 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為法律行為ほうりつこうい契約や遺言のように、意思表示を要素として、その意思のとおりの法律効果を生じさせる行為のこと。用語ページを見る → 無効
民法132条 不法な条件を付した法律行為/不法な行為をしないことを条件とするもの 無効

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

民法90条が行為そのものを見るのに対し、132条は条件の部分に目を向けておる。行為自体は普通の贈与や売買でも、そこに付いた条件が不法なら丸ごと無効じゃ。

なお、条文は「その条件が無効」とは書いておらぬ。「その法律行為は無効」でな。条件だけを取り除いて残りを生かす、という扱いではないのじゃ。

「不法」の中身は書かれていない

条文は「不法な条件」としか書いておらず、その意義を定義していません。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

ここも民法90条と同じでな。何が不法かは条文からは直ちに定まらぬ。事案ごとの判断に委ねられておる。書かれておらぬところを、覚えた話で埋めてはならぬぞ。

131条〜134条の位置づけ

条文 条件の問題点 効果
民法131条 すでに勝負がついている(既成条件既成条件きせいじょうけん法律行為の時に、すでに成就していた条件、又は成就しないことが確定していた条件のこと。民法131条が、停止条件か解除条件かに応じて無条件又は無効に振り分けます。用語ページを見る → 無条件又は無効
民法132条 内容が不法不法条件不法条件ふほうじょうけん不法な条件のこと。これを付した法律行為は無効であり、「不法な行為をしないこと」を条件とするものも同じく無効です(民法132条)。用語ページを見る → 無効
民法133条 実現できない(不能条件不能条件ふのうじょうけん成就しえない条件のこと。停止条件であれば法律行為は無効、解除条件であれば無条件となります(民法133条)。用語ページを見る → 無効又は無条件
民法134条 債務者の意思のみに係る(随意条件随意条件ずいいじょうけん成否が当事者の意思次第で決まる条件のこと。停止条件が単に債務者の意思のみに係るときは、その法律行為は無効です(民法134条)。用語ページを見る → 無効

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

132条だけが、停止条件か解除条件かで結論を分けておらぬのに気づいたかの。131条も133条も場合分けをしておるが、132条は一律に無効じゃ。不法なものは、どちらの向きでも認めぬ——そういう強い態度じゃな。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

不法な条件を付した法律行為は、無効である。

解答・解説を見る

解答:

正しい記述です。民法132条前段がそのとおり定めています。無効となるのは条件の部分だけでなく、その法律行為自体です。

司法書士正誤問題AI生成類題

不法な行為をしないことを条件とする法律行為は、条件の内容が適法であるから有効である。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法132条後段は「不法な行為をしないことを条件とするものも、同様とする」と定めており、こちらも無効です。

司法試験正誤問題AI生成類題

民法132条は、不法な条件が停止条件である場合と解除条件である場合とで、法律行為の効力を区別している。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法132条は停止条件停止条件ていしじょうけん成就するまで法律行為の効力の発生を止めておく条件。停止条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を生じます(民法127条1項)。用語ページを見る →解除条件解除条件かいじょじょうけん成就すると法律行為の効力を失わせる条件。解除条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を失います(民法127条2項)。用語ページを見る →かを区別せず、一律に無効としています。停止条件か解除条件かで結論を分けているのは、民法131条と133条です。

一次情報を確認する