民法第135条・総則

民法第135条:期限の到来の効果

始期を付けると期限が到来するまで履行を請求できず、終期を付けると期限の到来で効力が消滅します。条件と違い、必ず来るものを扱う条文です。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「来月1日に引き渡します」という約束と、「試験に受かったら渡します」という約束。どこが違うの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

来月1日は必ず来る。じゃが試験に受かるかは分からぬ。前者が期限期限きげん法律行為の効力や履行を、必ず到来する事実にかからせる定めのこと。成就するか分からない「条件」と区別されます(民法135条以下)。用語ページを見る →、後者が条件条件じょうけん法律行為の効力を、成就するかどうか分からない事実にかからせる定めのこと。必ず到来する「期限」と区別されます。用語ページを見る →じゃ。民法135条から、話は期限に移るぞ。

1項:始期

法律行為に始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が到来するまで、これを請求することができない。

要素 内容
対象 始期始期しき到来するまで履行の請求ができないものとする期限(民法135条1項)。効力そのものが生じない停止条件とは、条文の書きぶりが異なります。用語ページを見る →を付した法律行為
効果 その法律行為の履行は、期限が到来するまで請求することができない

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「効力が生じない」じゃなくて「履行を請求できない」なんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

鋭いのう。そこが停止条件停止条件ていしじょうけん成就するまで法律行為の効力の発生を止めておく条件。停止条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を生じます(民法127条1項)。用語ページを見る →との決定的な違いじゃ。民法127条1項は「その効力を生ずる」と書いておったが、135条1項は「履行は……請求することができない」じゃ。条文の言葉が違う

必ず来ると分かっておるものを待つのじゃから、法律関係そのものは動き出しておってよい。ただ、まだ求めるなというだけじゃな。

2項:終期

法律行為に終期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来した時に消滅する。

要素 内容
対象 終期終期しゅうき到来した時に法律行為の効力を消滅させる期限(民法135条2項)。用語ページを見る →を付した法律行為
効果 その法律行為の効力は、期限が到来した時に消滅する

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

こちらは「効力……消滅する」と書いておる。解除条件解除条件かいじょじょうけん成就すると法律行為の効力を失わせる条件。解除条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を失います(民法127条2項)。用語ページを見る →(民法127条2項の「効力を失う」)と近い書きぶりじゃな。終わり方は似ておるが、始まり方が違う——そう覚えるとよい。

条件と期限を並べる

条件条件じょうけん法律行為の効力を、成就するかどうか分からない事実にかからせる定めのこと。必ず到来する「期限」と区別されます。用語ページを見る →(民法127条) 期限期限きげん法律行為の効力や履行を、必ず到来する事実にかからせる定めのこと。成就するか分からない「条件」と区別されます(民法135条以下)。用語ページを見る →(民法135条)
成否・到来 するかどうか分からない 必ず来る
条文の語 条件が成就した 期限が到来した
効力を生じさせる側 停止条件:成就した時から効力を生ずる 始期:到来するまで履行を請求できない
効力を失わせる側 解除条件:成就した時から効力を失う 終期:到来した時に効力が消滅する

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

停止条件と始期だけ、書き方がはっきり違うんだね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこが最大の急所じゃ。停止条件は「効力」を止め、始期は「履行の請求」を止める。試験でも問われるところじゃぞ。

理屈もはっきりしておる。条件は成就しないかもしれぬゆえ、効力そのものを保留する。じゃが期限は必ず来る。来ると分かっておるものを待つ間まで、効力を否定する必要はないのじゃ。

期限の3か条

条文 内容
民法135条 期限の到来の効果(始期・終期)
民法136条 期限の利益期限の利益きげんのりえき期限が来るまで履行しなくてよいことによる利益のこと。債務者の利益のために定めたものと推定され(民法136条1項)、放棄もできます(同条2項)。用語ページを見る →及びその放棄
民法137条 期限の利益の喪失

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

135条が「期限が来たらどうなるか」、136条・137条が「来るまでの間の利益」を扱う。第五節はこの3か条で締めくくられるのじゃ。

資格別の演習

宅建正誤問題AI生成類題

法律行為に始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が到来するまで、これを請求することができない。

解答・解説を見る

解答:

正しい記述です。民法135条1項がそのとおり定めています。条文が制限しているのは「履行の請求」であって、法律行為の効力そのものではありません。

行政書士正誤問題AI生成類題

法律行為に始期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来するまで生じない。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法135条1項は「その法律行為の履行は、期限が到来するまで、これを請求することができない」と定めています。効力が生じないと定めているのは、停止条件停止条件ていしじょうけん成就するまで法律行為の効力の発生を止めておく条件。停止条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を生じます(民法127条1項)。用語ページを見る →について規定する民法127条1項の場合です。

司法書士正誤問題AI生成類題

法律行為に終期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来した時に消滅する。

解答・解説を見る

解答:

正しい記述です。民法135条2項がそのとおり定めています。終期終期しゅうき到来した時に法律行為の効力を消滅させる期限(民法135条2項)。用語ページを見る →の到来により効力が消滅する点は、解除条件解除条件かいじょじょうけん成就すると法律行為の効力を失わせる条件。解除条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を失います(民法127条2項)。用語ページを見る →の成就(民法127条2項)と似た効き方をします。

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