民法第616条・債権
民法第616条:賃借人による使用及び収益
賃借人の用法遵守義務について、使用貸借の民法594条1項の規定が賃貸借に準用されます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
住むために借りた部屋を、事務所にしてもいいの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
用法に従わねばならぬ。 民法616条じゃ。使用貸借使用貸借借主が無償で使用収益をし、契約終了時に返還することを約する契約(民法593条)。無償である点で賃貸借と異なります。用語ページを見る →の民法594条1項を借りてきておる。
条文
第五百九十四条第一項の規定は、賃貸借について準用する。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 準用される規定 | 民法594条1項(借主による使用及び収益) |
| 準用先 | 賃貸借賃貸借当事者の一方が物の使用収益を相手方にさせ、相手方が賃料を支払い、契約終了時に物を返還することを約する契約(民法601条)。用語ページを見る → |
準用される民法594条1項は次のとおりです。
借主は、契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用及び収益をしなければならない。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
1項だけなんだね。2項と3項は?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが読みどころじゃ。 民法616条が引いておるのは「第五百九十四条第一項」だけ。
同条2項(第三者に使用収益させることの制限)と3項(違反による解除)は、賃貸借では民法612条が受け持っておる——だから重ねて準用する必要がない、と読める。
無断譲渡・無断転貸の話は612条、用法の話は616条——役割が分かれておるのじゃ。
用法違反の効果
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法616条は、用法遵守義務を課すところまでじゃ。 違反したときの解除は書かれておらぬ。
用法違反は債務不履行債務不履行債務者がその債務の本旨に従った履行をしないこと、又は債務の履行が不能であること。債権者は損害賠償を請求できます(民法415条1項)。用語ページを見る →じゃ。 民法541条の催告による解除催告による解除相当の期間を定めて履行の催告をし、その期間内に履行がないときにできる解除のこと(民法541条本文)。不履行が軽微であるときは解除できません。用語ページを見る →や、民法542条の催告によらない解除催告によらない解除履行不能や明確な履行拒絶など、民法542条が定める場合に、催告をすることなく直ちにできる解除のこと。用語ページを見る →によることになる——そう読める。
使用貸借の民法594条3項が催告なしの解除を定めておったのとは、扱いが違うのう。
資格別の演習
賃借人は、契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用及び収益をしなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法616条により準用される民法594条1項がそのとおり定めています。
民法616条は、民法594条の規定を全体として賃貸借について準用している。
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解答:×
誤りです。民法616条が準用しているのは民法594条1項のみです。
賃借人が賃貸人の承諾なく第三者に賃借物の使用又は収益をさせた場合の解除は、民法612条2項による。
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解答:◯
正しい記述です。民法616条が準用するのは民法594条1項のみであり、無断転貸等による解除は民法612条2項が定めています。