民法第520条の20・債権
民法第520条の20:無記名証券
無記名証券には、記名式所持人払証券に関する第二款の規定が準用されます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
名前が書いてない証券は? 商品券とか。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第四款「無記名証券」じゃ。 民法520条の20——たった一文で第二款をまるごと引き受けるぞ。第七節の締めくくりじゃな。
条文
第二款(記名式所持人払証券)の規定は、無記名証券について準用する。
| 準用される条文 | 内容 |
|---|---|
| 民法520条の13 | 譲渡(交付) |
| 民法520条の14 | 所持人の権利の推定推定一応そうであるものとして扱い、争う側に反対の証明を求めること。「みなす」と違い、反証があれば覆ります。用語ページを見る → |
| 民法520条の15 | 善意取得 |
| 民法520条の16 | 債務者の抗弁の制限 |
| 民法520条の17 | 質入れ |
| 民法520条の18 | 指図証券の規定の準用(弁済・喪失) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
第二款まるごとだから、民法520条の18も入るんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
鋭いのう。 民法520条の18は、それ自体が民法520条の8から520条の12までを準用する条文じゃ。
つまり無記名証券無記名証券債権者を指名する記載のない有価証券。民法520条の20により、記名式所持人払証券の規定が準用されます。用語ページを見る →には、準用を経て指図証券指図証券証券に記載された者又はその者が指図した者に弁済すべき有価証券。譲渡には裏書と交付が必要です(民法520条の2)。用語ページを見る →の弁済・喪失の規定まで届く——準用の連鎖じゃな。
条文をたどる根気が要るが、たどれば筋は通っておる。
なぜ記名式所持人払証券と同じ扱いか
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
名前が書いてある証券と、書いてない証券が同じ扱い?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
記名式所持人払証券記名式所持人払証券債権者を指名する記載がされている証券であって、その所持人に弁済をすべき旨が付記されているもの(民法520条の13のかっこ書きによる定義)。譲渡は交付によってします。用語ページを見る →は「所持人に弁済をすべき旨が付記されている」ものじゃった(民法520条の13)。
名前が書いてあっても、実際に払うのは所持人——それなら無記名と変わらぬのう。扱いを揃えるのが筋じゃ。
どちらも「持っている者が権利者」——そこが共通しておるのじゃ。
第七節の全体像
| 款 | 対象 | 譲渡の方法 |
|---|---|---|
| 第一款 | 指図証券 | 裏書裏書証券上の権利を譲渡するために証券にする記載のこと。指図証券の譲渡には裏書と交付が必要です(民法520条の2)。方式は手形法の規定が準用されます(民法520条の3)。用語ページを見る →+交付 |
| 第二款 | 記名式所持人払証券 | 交付 |
| 第三款 | その他の記名証券 | 債権譲渡債権譲渡債権をその同一性を保ったまま他人に移転させること。民法466条1項は「債権は、譲り渡すことができる」と定めています。用語ページを見る →の方式・効力 |
| 第四款 | 無記名証券 | 交付(第二款の準用) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
4つの款で、証券の全体をカバーしてるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
平成29年改正で、商法から民法へ移してきた規定を、この4つに整理したのじゃ。
第三款だけが証券の世界の外にある——そこを押さえれば、第七節は見通せるぞ。
さて、これで第一章「総則」は終わりじゃ。 次は民法521条——第二章「契約」が始まるのう。
資格別の演習
無記名証券については、記名式所持人払証券に関する第二款の規定が準用される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法520条の20がそのとおり定めています。
無記名証券の譲渡は、民法520条の20により準用される民法520条の13に従い、その証券を交付しなければその効力を生じない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法520条の20が第二款(記名式所持人払証券)の規定を準用しています。