民法第420条・債権
民法第420条:賠償額の予定
あらかじめ賠償額を決めておけます。履行請求や解除は妨げられず、違約金は賠償額の予定と推定されます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「破ったら100万円」って先に決めておくのはアリ?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
アリじゃ。民法420条の**賠償額の予定賠償額の予定当事者があらかじめ債務不履行の損害賠償の額を定めておくこと。違約金は賠償額の予定と推定されます(民法420条)。用語ページを見る →**——3項がそれぞれ別のことを言っておる、密度の濃い条文じゃぞ。
1項:予定できる
当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
まずはできるという宣言じゃ。民法416条や418条で額を争わずに済む——争いを未然に断つのが狙いと読めような。
2項:履行請求・解除を妨げない
賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
| 予定があっても | できること |
|---|---|
| ① | 履行の請求 |
| ② | 解除権の行使 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
お金をもらう代わりに履行を諦める、じゃないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが2項の眼目じゃ。予定額を払えば済む、という取り決めではない。
民法414条2項も「前項の規定は、損害賠償の請求を妨げない」と定めておった。制度どうしは排他ではない——民法が繰り返し確認する筋じゃな。
3項:違約金は賠償額の予定と推定
違約金は、賠償額の予定と推定する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象 | 違約金 |
| 効果 | 賠償額の予定と推定する |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「みなす」じゃなくて「推定推定一応そうであるものとして扱い、争う側に反対の証明を求めること。「みなす」と違い、反証があれば覆ります。用語ページを見る →」だね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう見たのう。推定じゃから、反対の証明で覆せる。
「違約金」と書いてあっても、当事者が別の趣旨で定めたなら、それを立証すればよい。言葉の見た目に引きずられぬための逃げ道が残されておるのじゃ。
過失相殺は働く
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
賠償額を予定しても、民法418条の過失相殺過失相殺債務の不履行や損害の発生・拡大について債権者に過失があったとき、裁判所がこれを考慮して損害賠償の責任及びその額を定めること(民法418条)。用語ページを見る →は働く——最高裁がそう判断しておる(最判平成6年4月21日・集民第172号379頁)。
予定は額の争いを減らすが、債権者の過失まで免じるものではない、というわけじゃな。
予定額が有効とされた事例
大学の授業料等不返還特約について、最高裁は次のように判断しました。
専願等を資格要件としない大学の平成18年度の推薦入学試験に合格し,初年度に納付すべき範囲内の授業料等を納付して,当該大学との間で納付済みの授業料等は返還しない旨の特約の付された在学契約を締結した者が,入学年度開始後である平成18年4月5日に同契約を解除した場合において,学生募集要項に,一般入学試験の補欠者とされた者につき4月7日までに補欠合格の通知がない場合は不合格となる旨の記載があり,当該大学では入学年度開始後にも補欠合格者を決定することがあったなどの事情があっても,上記授業料等は,上記解除に伴い当該大学に生ずべき平均的な損害を超えるものではなく,上記解除との関係では,上記特約は,すべて有効である。 (最判平成22年3月30日・集民第233号353頁)
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「平均的な損害を超えるものではなく」——別の法律の物差しが出てきた。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
参照法条に消費者契約法9条が挙がっておるのう。消費者契約では、平均的な損害を超える部分が無効とされる。
民法420条は予定を認める。じゃが別の法律が上限を置くことがある——判例がその重なりを扱っておるのじゃ。民法だけで完結せぬ場面じゃな。
民法421条へ
民法421条は「前条の規定は、当事者が金銭でないものを損害の賠償に充てるべき旨を予定した場合について準用する」と定めます。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
金銭以外の予定にも同じ扱いじゃ。民法417条の金銭賠償の原則が「別段の意思表示がないときは」で始まっておったことと、ここでつながるのう。
資格別の演習
当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができ、その予定は履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法420条1項・2項がそのとおり定めています。
違約金は、賠償額の予定と推定される。
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解答:◯
正しい記述です。民法420条3項がそのとおり定めています。
違約金は、賠償額の予定とみなされ、反対の証明によって覆すことはできない。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法420条3項は「賠償額の予定と推定する」と定めており、みなし規定ではありません。
一次情報を確認する
- e-Gov法令検索:民法第420条
- 最判平成22年3月30日(集民 第233号353頁)(平成21(受)1232)