民法第344条・物権

民法第344条:質権の設定

質権は、目的物を引き渡して初めて効力を生じます。合意だけでは足りません。物権のなかでは例外的な作りです。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

民法176条は「物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる」だったよね。質権質権しちけん債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、その物について他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法342条)。設定には目的物の引渡しが必要です(民法344条)。用語ページを見る →もそう?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこが例外じゃ。民法344条をよう見よ。引き渡すことによって効力を生ずる——意思表示だけでは足りぬのじゃ。

条文の内容

質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる。

要素 条文の言葉
誰に 債権者に
何を その目的物を引き渡す
効果 それによってその効力を生ずる

民法176条との対比

民法176条(原則) 民法344条(質権)
効力発生 当事者の意思表示のみによって 目的物を引き渡すことによって

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

物権なのに、意思表示だけじゃダメなんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこが質権の特色じゃ。民法342条を思い出せ。質権者は「受け取った物を占有し」と書かれておった。物を手元に置くことが、権利の内容そのものなのじゃ。

引き渡さねば質権にならぬ——条文の作りと、権利の性質が一致しておる。

占有改定は含まれない

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「引渡し」には4つの方法があったよね(民法182条〜184条)。全部使えるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこが問題になる。民法345条が「質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができない」と定めておるゆえ、占有改定占有改定せんゆうかいてい代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示することで、本人が占有権を取得すること(民法183条)。物は動かないまま占有だけが移ります。用語ページを見る →(民法183条)では質権は成立せぬ。

最判昭和37年10月12日(集民第62号867頁)の裁判要旨は、占有改定の方法による質物の引渡しについて「民法第三四五条の法意に徴し、質権は有効に成立しない」と述べておる。344条と345条を、あわせて読まねばならぬのじゃな。

動産質の対抗要件は民法352条

設定に引渡しが必要なだけでなく、対抗にも継続した占有が要ります。

動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。(民法352条)

場面 条文 必要なもの
設定(効力発生) 民法344条 目的物の引渡し
対抗 民法352条 継続して質物を占有

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

入口も出口も占有じゃ。手放せば民法353条の問題になる。質権は、最初から最後まで物とともにある担保なのじゃな。

資格別の演習

宅建正誤問題AI生成類題

質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法344条がそのとおり定めています。

行政書士正誤問題AI生成類題

質権の設定は、当事者の意思表示のみによってその効力を生ずる。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法344条は「債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる」と定めています。意思表示のみで効力を生ずるとする民法176条の例外です。

司法書士正誤問題AI生成類題

判例によれば、占有改定の方法による質物の引渡しによっては、質権は有効に成立しない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。最判昭和37年10月12日(集民第62号867頁)の裁判要旨がそのとおり述べています。民法345条の法意によるものとされています。

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