民法第100条・総則
民法第100条:本人のためにすることを示さない意思表示
顕名をしないでした意思表示は、代理人が自分のためにしたものとみなされます。ただし相手方が代理であることを知り、又は知ることができたときは、代理として扱われます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
代理人が「オーナーの代わりです」って言い忘れたら、どうなるの? 契約そのものが無かったことになる?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
無かったことにはならぬ。代理人が自分のためにしたものとみなす——それが民法100条本文じゃ。契約は生きておるが、当事者が入れ替わるのじゃな。
条文の内容
代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、前条第一項の規定を準用する。
本文:自己のためにしたものとみなす
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 場面 | 代理人が本人のためにすることを示さないで意思表示をした |
| 効果 | 自己のためにしたものとみなす |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
代理人が自分で責任を負うことになるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
相手方の身になってみよ。目の前の者が自分の名で話しておるなら、その者と取引しておると思うのが当たり前じゃ。相手方が見たとおりに扱う——それが本文の趣旨じゃな。
ただし書:相手方が知り、又は知ることができたとき
ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、前条第一項の規定を準用する。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 相手方の主観 | 代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができた |
| 効果 | 民法99条1項を準用(=本人に直接効力を生ずる) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「知ることができた」まで入るんだ。知らなかったけど気づけたはず、という場合ね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこじゃ。本文が守ろうとしておるのは、代理だと思わずに取引した相手方じゃ。気づけたはずの者まで守る必要はない。だからただし書で、本来の代理の効果に戻すのじゃな。
民法99条と100条を並べる
| 顕名顕名代理人が「本人のためにすること」を相手方に示すこと(民法99条1項)。これを欠くと、その意思表示は代理人が自己のためにしたものとみなされます(民法100条本文)。用語ページを見る →あり(民法99条1項) | 顕名なし(民法100条本文) | 顕名なし+相手方が知り得た(同ただし書) | |
|---|---|---|---|
| 効果の帰属 | 本人 | 代理人自身 | 本人 |
| 根拠 | 99条1項 | 100条本文(みなす) | 100条ただし書(99条1項を準用) |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
顕名顕名代理人が「本人のためにすること」を相手方に示すこと(民法99条1項)。これを欠くと、その意思表示は代理人が自己のためにしたものとみなされます(民法100条本文)。用語ページを見る →は、代理という仕組みを外から見えるようにするための一手間じゃ。それを欠いたときにどうなるかを定めたのが100条でな。見えていなかった相手方は守り、見えていた(見えたはずの)相手方は守らない。筋が通っておろう。
資格別の演習
代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、原則として、自己のためにしたものとみなされる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法100条本文がそのとおり定めています。ただし書により、相手方が代理であることを知り、又は知ることができたときは、民法99条1項が準用されます。
代理人が顕名をしなかった場合、相手方が代理であることを現に知っていたときに限り、その意思表示の効力は本人に生ずる。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法100条ただし書は「知り、又は知ることができたとき」と定めており、現に知っていた場合に限られません。知ることができた場合も、民法99条1項が準用されます。
代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、無効である。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法100条本文は「自己のためにしたものとみなす」と定めており、意思表示を無効とするものではありません。効果の帰属先が代理人自身になるだけです。