民法第484条・債権
民法第484条:弁済の場所及び時間
特定物は債権発生時に存在した場所、その他は債権者の現在の住所が弁済の場所です。取引時間の定めがあればその内に限られます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「払いに来い」「取りに来い」——どっちが正しいの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
物によって違う。 民法484条1項じゃ。特定物とそれ以外で、場所が正反対になるぞ。
1項:弁済の場所
弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。
| 給付の種類 | 弁済の場所 |
|---|---|
| 特定物特定物当事者がその物の個性に着目して指定した物のこと。中古の一軒家や絵画など、代わりのきかない物です。引渡しまで善良な管理者の注意をもって保存する義務が生じます(民法400条)。用語ページを見る →の引渡し | 債権発生の時にその物が存在した場所 |
| その他の弁済 | 債権者の現在の住所 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
お金は「持参する」んだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
金銭は「その他の弁済」じゃからのう。 債権者の現在の住所——債務者が届けにいくという形じゃ。持参債務が原則というわけじゃな。
対して特定物は、その物があった場所じゃ。動かせぬ物、動かすのが大変な物もあるからのう。取立債務の形になる。
そして冒頭の「別段の意思表示がないときは」を見落とすな。任意規定任意規定当事者が異なる合意をすればそちらが優先する規定。民法91条にいう「公の秩序に関しない規定」がこれにあたります。用語ページを見る →じゃ。 当事者が決めればそれが優先する。
「現在の住所」「債権発生の時に」
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
片方は「現在」、もう片方は「債権発生の時」——時点が違う!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
見事な着眼じゃ。
債権者の住所は「現在」——引っ越したら、新しい住所が弁済地になると読める。
特定物の場所は「債権発生の時」——後で物が移動しても、もとの場所が基準じゃ。
なぜ違うか。 住所は債権者が管理するもの、物の場所は当事者が動かしうるもの——基準を固定すべき場面と、追随させるべき場面があるのじゃな。
なお債権者の住所移転で費用が増えたときは、民法485条ただし書が受け止めるぞ。二か条を続けて読むとよい。
2項:弁済の時間
法令又は慣習により取引時間の定めがあるときは、その取引時間内に限り、弁済をし、又は弁済の請求をすることができる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 前提 | **法令又は慣習慣習その社会や取引で繰り返し行われてきたやり方のこと。任意規定と異なる慣習は、当事者がそれによる意思を有していると認められるときに従われます(民法92条)。用語ページを見る →**により取引時間の定めがある |
| 効果 | その取引時間内に限り、弁済をし、又は弁済の請求をすることができる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
請求する側も時間を守らないといけないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
双方向じゃ。 「弁済をし、又は弁済の請求をすることができる」——払う側も請求する側も、取引時間の内。
真夜中に取り立てに来られてはたまらぬからのう。当然のようでいて、条文にあるからこそ言えることじゃ。
資格別の演習
弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所においてしなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法484条1項がそのとおり定めています。
弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、金銭の支払は債務者の現在の住所においてしなければならない。
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解答:×
誤りです。民法484条1項は、特定物の引渡し以外の弁済は「債権者の現在の住所」においてしなければならないと定めています。
法令又は慣習により取引時間の定めがあるときは、その取引時間内に限り、弁済の請求をすることができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法484条2項がそのとおり定めています。