民法第520条の15・債権
民法第520条の15:記名式所持人払証券の善意取得
所持人は証券の返還義務を負いませんが、悪意又は重大な過失により取得したときは返還しなければなりません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
こっちも善意取得があるんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法520条の5と、言葉までほぼ同じじゃ。 民法520条の15——証券の名前だけが入れ替わっておるぞ。
条文
何らかの事由により記名式所持人払証券の占有を失った者がある場合において、その所持人が前条の規定によりその権利を証明するときは、その所持人は、その証券を返還する義務を負わない。ただし、その所持人が悪意又は重大な過失によりその証券を取得したときは、この限りでない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 何らかの事由により記名式所持人払証券記名式所持人払証券債権者を指名する記載がされている証券であって、その所持人に弁済をすべき旨が付記されているもの(民法520条の13のかっこ書きによる定義)。譲渡は交付によってします。用語ページを見る →の占有を失った者がある |
| 要件 | その所持人が民法520条の14により権利を証明する(所持していること) |
| 効果 | その証券を返還する義務を負わない |
| ただし書 | 所持人が**悪意悪意ある特定の事情や事実を『知っている』こと。いじわるな心という意味ではありません。用語ページを見る →又は重大な過失重大な過失わずかな注意さえ払えば気づけたのに見落とした、という程度の重い不注意。錯誤が表意者の重大な過失によるときは、原則として取消しができません(民法95条3項)。用語ページを見る →**により取得したときは、この限りでない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
中身は民法520条の5と全部同じ?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文の言葉を並べてみよ。 「指図証券」が「記名式所持人払証券」に、「前条」が指す先が民法520条の4から民法520条の14に——変わったのはそこだけじゃ。
じゃが「前条の規定によりその権利を証明する」の中身が違うぞ。あちらは裏書裏書証券上の権利を譲渡するために証券にする記載のこと。指図証券の譲渡には裏書と交付が必要です(民法520条の2)。方式は手形法の規定が準用されます(民法520条の3)。用語ページを見る →の連続、こちらは所持そのもの——入口の広さが違うのじゃな。
三つの善意取得を並べる
| 対象 | 条文 | 保護される主観 |
|---|---|---|
| 動産 | 民法192条 | 善意かつ無過失 |
| 指図証券指図証券証券に記載された者又はその者が指図した者に弁済すべき有価証券。譲渡には裏書と交付が必要です(民法520条の2)。用語ページを見る → | 民法520条の5 | 悪意又は重過失でないこと |
| 記名式所持人払証券 | 民法520条の15 | 悪意又は重過失でないこと |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
即時取得即時取得取引行為によって平穏・公然と動産の占有を始めた者が、善意無過失であれば即時にその動産の権利を取得すること(民法192条)。無権利者から買っても保護される制度です。用語ページを見る →という名では呼ばれておらぬが、働きは同じじゃ。
動産より証券のほうが手厚い——流通を守る要請の強さの違いじゃな。そして盗品・遺失物の例外(民法193条)も、証券にはない。
資格別の演習
何らかの事由により記名式所持人払証券の占有を失った者がある場合において、その所持人が民法520条の14により権利を証明するときは、その所持人はその証券を返還する義務を負わない。
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解答:◯
正しい記述です。民法520条の15本文がそのとおり定めています。
記名式所持人払証券の所持人が悪意又は重大な過失によりその証券を取得したときは、その証券を返還する義務を負う。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法520条の15ただし書がそのとおり定めています。