民法第285条・物権

民法第285条:用水地役権

水が足りないときは、まず生活用に。残りをその他の用途に。地役権の条文のなかで、水だけが特別な扱いを受けています。

  • 行政書士
  • 司法書士
  • 司法試験

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

水を引く地役権地役権ちえきけん設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利(民法280条)。通行や引水のために設定されます。用語ページを見る →があるけど、日照りで水が足りないの。どうやって分けるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

民法285条が答えておる。まず生活用——そこが揺るがぬ順序じゃ。

1項:生活用が先

用水地役権の承役地(地役権者以外の者の土地であって、要役地の便益に供されるものをいう。以下同じ。)において、水が要役地及び承役地の需要に比して不足するときは、その各土地の需要に応じて、まずこれを生活用に供し、その残余を他の用途に供するものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

要素 条文の言葉
定義 承役地承役地しょうやくち地役権者以外の者の土地であって、要役地の便益に供されるもの(民法285条1項)。便益を与える側の土地です。用語ページを見る →=地役権者以外の者の土地であって、要役地の便益に供されるもの
場面 水が要役地及び承役地の需要に比して不足する
配分 その各土地の需要に応じて
順序 まず生活用に供し、その残余を他の用途に
ただし書 設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

ここで承役地承役地しょうやくち地役権者以外の者の土地であって、要役地の便益に供されるもの(民法285条1項)。便益を与える側の土地です。用語ページを見る →の定義が出てくるんだ。要役地要役地ようえきち地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるもの(民法281条1項)。地役権は要役地の所有権に従たるものとして扱われます。用語ページを見る →は民法281条1項だったね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そのとおり。2つの用語が、それぞれ別の条文で定義されておる。どちらも「以下同じ」付きじゃ。

そして配分の順序じゃ。水は、田畑を潤す前に人が生きるために要る。要役地であれ承役地であれ、そこは変わらぬ——条文が土地の立場より生活を上に置いておるのが分かろう。

2項:後の地役権者は先の者を妨げない

同一の承役地について数個の用水地役権を設定したときは、後の地役権者は、前の地役権者の水の使用を妨げてはならない。

要素 条文の言葉
場面 同一の承役地について数個の用水地役権を設定
効果 後の地役権者は、前の地役権者の水の使用を妨げてはならない

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

早い者勝ち……というより、先に設定した人が優先されるんだね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

条文の順序は「前」と「後」じゃ。先に設定された地役権が守られる。同じ承役地に重ねて設定するなら、先客の使い方を前提にせよ、ということじゃな。

民法220条・221条・222条で見た水の条文と同じで、水は取り合いになりやすい。だから民法は、順序をあらかじめ書いておくのじゃ。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

用水地役権の承役地において水が要役地及び承役地の需要に比して不足するときは、その各土地の需要に応じて、まずこれを生活用に供し、その残余を他の用途に供する。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法285条1項本文がそのとおり定めています。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りではありません。

司法書士正誤問題AI生成類題

同一の承役地について数個の用水地役権を設定したときは、後の地役権者は、前の地役権者の水の使用を妨げてはならない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法285条2項がそのとおり定めています。

司法試験正誤問題AI生成類題

民法285条1項の水の配分の順序は、設定行為によって変更することができない。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。同項ただし書は「設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない」としています。

一次情報を確認する