民法第413条の2・債権
民法第413条の2:履行遅滞中又は受領遅滞中の履行不能と帰責事由
遅滞中に双方無責で不能となれば、遅滞していた側の責めに帰すべき事由によるものとみなされます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
履行遅滞履行遅滞履行期を過ぎても履行しないこと。いつから遅滞の責任を負うかは、確定期限・不確定期限・期限の定めなしで異なります(民法412条)。用語ページを見る →しているあいだに、誰のせいでもない事故で物が壊れたら?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法413条の2じゃ。平成29年改正の新設条文で、遅滞していた側に責任を寄せる。1項と2項がきれいな鏡合わせになっておるぞ。
1項:履行遅滞中の不能
債務者がその債務について遅滞の責任を負っている間に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなす。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 債務者が遅滞の責任を負っている間 |
| 原因 | 当事者双方の責めに帰することができない事由 |
| 効果 | その履行不能履行不能契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務の履行が不能であること。債権者はその履行を請求できません(民法412条の2第1項)。用語ページを見る →は、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなす |
2項:受領遅滞中の不能
債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債権者の責めに帰すべき事由によるものとみなす。
| 1項 | 2項 | |
|---|---|---|
| 遅滞していた者 | 債務者(履行遅滞) | 債権者(受領遅滞受領遅滞債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないこと。債務者の保存義務が軽減され、増加費用は債権者の負担となります(民法413条)。用語ページを見る →) |
| 起算点 | 遅滞の責任を負っている間 | 履行の提供があった時以後 |
| 帰責される者 | 債務者 | 債権者 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
ほんとに鏡合わせだ! 遅れてたほうが責任を負う。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
みごとな読みじゃ。遅滞がなければ、そもそも不能にならなかったはず——そう考えれば筋が通る。
遅れた者が危険を引き受ける。遅滞は、それ自体が重いということじゃな。
「みなす」の重み
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文は「みなす」と書く。推定推定一応そうであるものとして扱い、争う側に反対の証明を求めること。「みなす」と違い、反証があれば覆ります。用語ページを見る →ではない。反対の証明で覆せぬ。
「双方の責めに帰することができない事由」とわざわざ断ったうえで、それでも一方の責任とみなす——擬制じゃな。強い規定じゃぞ。
効果はどこに現れるか
| 条文 | 「責めに帰すべき事由」が意味を持つ場面 |
|---|---|
| 民法415条1項ただし書 | 債務者の責めに帰することができない事由なら損害賠償責任を負わない |
| 民法543条 | 債権者の責めに帰すべき事由による不履行なら解除できない |
| 民法536条2項 | 債権者の責めに帰すべき事由による履行不能なら反対給付の履行を拒めない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「みなす」の効き目が、いろんな条文に波及するんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。413条の2それ自体は効果を語らぬ。帰責事由の所在を決めるだけじゃ。
じゃがその一点が決まれば、損害賠償も、解除も、危険負担も、答えが出る。要件事実の急所を押さえた条文——そう見るとよいぞ。
資格別の演習
債務者がその債務について遅滞の責任を負っている間に当事者双方の責めに帰することができない事由によって履行が不能となったときは、その履行の不能は債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなされる。
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解答:◯
正しい記述です。民法413条の2第1項がそのとおり定めています。
債権者が受領を拒んだ場合において、履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によって履行が不能となったときは、その履行の不能は債権者の責めに帰すべき事由によるものとみなされる。
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解答:◯
正しい記述です。民法413条の2第2項がそのとおり定めています。
民法413条の2による帰責事由の擬制は推定にすぎず、反対の証明によって覆すことができる。
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解答:×
誤りです。条文は「みなす」と定めており、推定ではありません。