民法第383条・物権

民法第383条:抵当権消滅請求の手続

登記をした各債権者に3種類の書面を送ります。取得の内容・登記事項証明書・2か月の予告の3点セットです。

  • 行政書士
  • 司法書士
  • 司法試験

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

民法379条が「383条の定めるところにより」って言ってたよね。中身を見てみたい!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

よし、ここが抵当権消滅請求抵当権消滅請求ていとうけんしょうめつせいきゅう抵当不動産の第三取得者が、代価等を提供して抵当権の消滅を求める手続(民法379条・383条)。主たる債務者・保証人及びその承継人はすることができません(民法380条)。用語ページを見る →の心臓部じゃ。3種類の書面を送る——それが手続のすべてじゃぞ。

条文の内容

抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に対し、次に掲げる書面を送付しなければならない。

# 送付すべき書面
一 取得の原因及び年月日、譲渡人及び取得者の氏名及び住所並びに抵当不動産の性質、所在及び代価その他取得者の負担を記載した書面
二 抵当不動産に関する登記事項証明書(現に効力を有する登記事項のすべてを証明したものに限る。)
三 債権者が2か月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないときは、第三取得者が第一号の代価又は特に指定した金額を債権の順位に従って弁済し又は供託すべき旨を記載した書面

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

送り先は「登記をした各債権者」なんだね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこが要じゃ。登記登記とうき不動産の権利関係を法務局の登記簿に記録して公示する制度。不動産の物権変動は、登記をしないと第三者に主張できません。用語ページを見る →をした債権者すべてに送る。ひとりでも漏らせば、民法386条の「登記をしたすべての債権者が……承諾し」という要件が満たせぬのう。

3号の書面が制度を動かす

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

1号は何を買ったかの申告、2号は登記の裏づけじゃ。そして3号が、この制度の仕掛けそのものじゃ。

「2か月以内に競売を申し立てなければ、この額を払うぞ」——債権者に選択を迫る書面じゃな。動かなければ承諾とみなされる(民法384条1号)。沈黙が承諾になるのじゃから、あらかじめそう書いて知らせておく必要がある。

「代価又は特に指定した金額」

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

代価じゃない額を書いてもいいの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

条文は「第一号に規定する代価又は特に指定した金額」と書いておる。買った値段そのままでもよいし、それとは別の額を示してもよい、ということじゃな。

もっとも、低すぎる額を示せば債権者は競売を申し立てるじゃろう。額の設定は第三取得者の賭けでもあるのう。

送付の後は

条文 次の段階
民法384条 一定の場合に債権者の承諾があったとみなす
民法385条 競売を申し立てる債権者は、期間内に債務者・譲渡人へ通知
民法386条 すべての債権者が承諾し、払渡し又は供託があれば抵当権は消滅

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

383条の書面が、この一連の流れの引き金じゃ。ここを外すと、あとの条文はどれも動かぬぞ。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に対し、民法383条各号に掲げる書面を送付しなければならない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法383条柱書がそのとおり定めています。

司法書士正誤問題AI生成類題

抵当権消滅請求に際して送付すべき書面には、債権者が2か月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないときは代価又は特に指定した金額を債権の順位に従って弁済し又は供託すべき旨を記載した書面が含まれる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法383条3号がそのとおり定めています。

司法試験正誤問題AI生成類題

抵当権消滅請求の書面は、抵当権者のうち第一順位の者に対してのみ送付すれば足りる。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法383条柱書は「登記をした各債権者に対し」送付しなければならないとしています。

一次情報を確認する