民法第390条・物権
民法第390条:抵当不動産の第三取得者による買受け
第三取得者も競売で買受人になれます。たった一行の条文が、争いの余地を断っています。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
抵当不動産抵当不動産抵当権の目的である不動産のこと。民法370条が条文中でこの語を定義しています。用語ページを見る →を買った人が、その不動産の競売でもう一度買うって……できるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
できるのじゃ。民法390条はたった一行でそれを定めておる。短いが、意味は大きいぞ。
条文の内容
抵当不動産の第三取得者は、その競売において買受人となることができる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 抵当不動産抵当不動産抵当権の目的である不動産のこと。民法370条が条文中でこの語を定義しています。用語ページを見る →の第三取得者第三取得者担保の目的物を取得した第三者のこと。先取特権は、債務者が目的である動産を第三取得者に引き渡した後は行使できません(民法333条)。用語ページを見る → |
| どこで | その競売において |
| 何ができる | 買受人となることができる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
どうしてわざわざ条文にしたんだろう。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第三取得者は、その不動産の所有者じゃ。自分の物を競売で買い受けるというのは、言葉の上では奇妙に響く。
そこを条文が正面から認めたのじゃな。争いの余地を断つ一行——民法にはこういう条文がときどきある。
第三取得者に用意された道
| 条文 | 第三取得者ができること |
|---|---|
| 民法378条 | 代価弁済代価弁済抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を弁済すること。これにより抵当権はその第三者のために消滅します(民法378条)。用語ページを見る →(抵当権者の請求に応じて代価を弁済) |
| 民法379条以下 | 抵当権消滅請求抵当権消滅請求抵当不動産の第三取得者が、代価等を提供して抵当権の消滅を求める手続(民法379条・383条)。主たる債務者・保証人及びその承継人はすることができません(民法380条)。用語ページを見る → |
| 民法390条 | 競売で買受人となる |
| 民法391条 | 必要費必要費物の保存のために支出した費用のこと。占有者は回復者に償還させることができますが、果実を取得したときは通常の必要費は自己負担となります(民法196条1項)。用語ページを見る →・有益費有益費物の改良のために支出した費用のこと。価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従って支出額か増価額の償還を受けられます(民法196条2項)。用語ページを見る →の優先償還 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
第三取得者を守る条文がこんなに!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第二節「抵当権の効力」には、第三取得者のための規定が並んでおるのじゃ。
抵当権が付いたままの不動産でも取引できねば、担保の意味も薄れる。買う者を守ることが、担保制度そのものを支えておる——そう読めような。
「その競売において」
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文は「その競売において」と書く。自分が取得した抵当不動産についての競売、という意味じゃな。
もし買受人となれば、抵当権の負担のない所有権を取得する道が開ける。消滅請求で承諾を集めるより早い、という場面もあろう。
資格別の演習
抵当不動産の第三取得者は、その競売において買受人となることができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法390条がそのとおり定めています。
抵当不動産の第三取得者は、その不動産の所有者であるから、その競売において買受人となることができない。
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解答:×
誤りです。民法390条は第三取得者が「その競売において買受人となることができる」と明記しています。
抵当不動産の第三取得者には、抵当権消滅請求のほか、競売において買受人となる道も認められている。
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解答:◯
正しい記述です。民法379条以下の抵当権消滅請求に加え、民法390条が買受人となることを認めています。