民法第198条・物権
民法第198条:占有保持の訴え
占有を妨げられたときは、妨害の停止と損害の賠償を請求できます。「奪われた」のではなく「邪魔された」場面の救済です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
お隣の土砂がうちの駐車場に流れ込んできて、車が停められないの。取られたわけじゃないけど、使えないよ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
それが「妨害された」という場面じゃな。民法198条の占有保持の訴え占有保持の訴え占有を妨害されたときに、妨害の停止と損害の賠償を請求する訴え(民法198条)。妨害が続いている間か、消滅した後1年以内に提起します(民法201条1項)。用語ページを見る →の出番じゃ。
条文の内容
占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 占有を妨害されたとき |
| 請求できること | ① 妨害の停止 ② 損害の賠償 |
条文は「及び」でつないでいます。停止と賠償の両方を請求できる、という書き方です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「奪われた」じゃなくて「妨害された」なんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが3つの訴えの分かれ目じゃ。占有を失ったなら民法200条、まだ失っておらぬが邪魔されておるなら198条。条文の書き出しの言葉を見比べるのが、いちばん確かな見分け方じゃな。
3つの訴えの分岐
| 状況 | 条文 | 訴え |
|---|---|---|
| 妨害されるおそれがある | 民法199条 | 占有保全の訴え占有保全の訴え占有を妨害されるおそれがあるときに、妨害の予防または損害賠償の担保を請求する訴え(民法199条)。まだ妨害が起きていない段階で使えます。用語ページを見る → |
| 妨害されている | 民法198条 | 占有保持の訴え |
| 占有を奪われた | 民法200条 | 占有回収の訴え占有回収の訴え占有を奪われたときに、物の返還と損害の賠償を請求する訴え(民法200条1項)。占有を奪われた時から1年以内に提起しなければなりません(民法201条3項)。用語ページを見る → |
提起できる期間
民法201条1項が定めます。
占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に提起しなければならない。ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から一年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
妨害が続いておるあいだは、いつでも起こせる。消えてしもうた後は1年以内じゃ。工事の場合の特則もあるゆえ、民法201条もあわせて読んでおくとよいぞ。
資格別の演習
占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法198条がそのとおり定めています。
占有を奪われた占有者は、占有保持の訴えによりその物の返還を請求することができる。
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解答:×
誤りです。占有を奪われた場合は民法200条の占有回収の訴えによります。民法198条の占有保持の訴えは、占有が「妨害された」場合の規定です。
占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後1年以内に提起しなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法201条1項本文がそのとおり定めています。工事による損害の場合には、同項ただし書の特則があります。