民法第357条・物権
民法第357条:不動産質権者による管理の費用等の負担
使用収益できる代わりに、管理の費用その他の負担を引き受けます。占有者の費用償還請求(民法196条)とは正反対の扱いです。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
不動産質権者は使用収益できる(民法356条)。じゃあ、固定資産税や修繕費は誰が払うの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法357条じゃ。質権者が負う。使えるかわりの負担じゃな。
条文の内容
不動産質権者は、管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 不動産質権者 |
| 何を | 管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「その他不動産に関する負担」って、広いね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文がそう受けておる。管理の費用を例として挙げ、その他の負担も広く含める書き方じゃ。民法308条が「給料その他……雇用関係に基づいて生じた債権」としておったのと同じ型じゃな。
民法299条・196条との対比
質権には民法350条により**民法299条(費用の償還請求)**が準用されます。ところが不動産質については、357条が正面から負担を課しています。
| 動産質(民法350条→299条) | 不動産質(民法357条) | |
|---|---|---|
| 必要費必要費物の保存のために支出した費用のこと。占有者は回復者に償還させることができますが、果実を取得したときは通常の必要費は自己負担となります(民法196条1項)。用語ページを見る → | 所有者に償還させられる | 質権者が負う |
| 前提 | 使用できない(民法350条→298条2項) | 使用収益できる(民法356条) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
使えるかどうかで、費用の扱いがひっくり返るんだ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう掴んだのう。果実を取るなら費用も持つ——民法196条1項ただし書が「占有者が果実を取得したときは、通常の必要費は、占有者の負担に帰する」としておったのと、まったく同じ発想じゃ。
民法が繰り返し使う物差しじゃな。利益と負担は釣り合わせる。
3か条のバランス
| 条文 | 質権者にとって |
|---|---|
| 民法356条 | 有利(使用収益できる) |
| 民法357条 | 不利(費用・負担を負う) |
| 民法358条 | 不利(利息を請求できない) |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そして民法359条により、この3つはまとめて外せる。当事者が別の取り決めをするなら、それに従うのじゃ。
資格別の演習
不動産質権者は、管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法357条がそのとおり定めています。
不動産質権者は、質物である不動産について支出した管理の費用を、設定者に償還させることができる。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法357条は、不動産質権者が管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負うと定めています。
民法357条の負担は、設定行為に別段の定めがあるときは適用されない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法359条が民法356条から358条までについて、設定行為に別段の定めがあるとき等は適用しないとしています。