民法第424条の9・債権

民法第424条の9:債権者への支払又は引渡し

金銭の支払や動産の引渡しなら自己に対してするよう求められます。応じれば債務者への返還は不要です。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

取り戻したお金は、いったん債務者に渡すの? 民法423条の3と同じ問題だ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

みごとな連想じゃ。民法424条の9——債権者代位権債権者代位権さいけんしゃだいいけん債権者が自己の債権を保全するため必要があるときに、債務者に属する権利を代わりに行使できる制度(民法423条1項)。用語ページを見る →の423条の3と、ぴたり対をなす条文じゃぞ。

1項:自己に対してすることを求められる

債権者は、第四百二十四条の六第一項前段又は第二項前段の規定により受益者又は転得者に対して財産の返還を請求する場合において、その返還の請求が金銭の支払又は動産の引渡しを求めるものであるときは、受益者に対してその支払又は引渡しを、転得者に対してその引渡しを、自己に対してすることを求めることができる。この場合において、受益者又は転得者は、債権者に対してその支払又は引渡しをしたときは、債務者に対してその支払又は引渡しをすることを要しない。

内容
対象 返還の請求が金銭の支払又は動産の引渡しを求めるもの
前段 受益者受益者じゅえきしゃ詐害行為によって利益を受けた者のこと(民法424条1項ただし書)。その行為の時に債権者を害することを知らなかったときは、取消請求を受けません。用語ページを見る →には支払又は引渡しを、転得者転得者てんとくしゃ受益者に移転した財産をさらに取得した者のこと。一定の要件を満たす場合に限り詐害行為取消請求の相手方となります(民法424条の5)。用語ページを見る →には引渡しを、自己に対してすることを求められる
後段 受益者・転得者が債権者に支払・引渡しをしたときは、債務者に対してすることを要しない

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

受益者は「支払又は引渡し」、転得者は「引渡し」だけ?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

よう読んだのう。条文が書き分けておる。転得者について「支払」は挙がっておらぬ。

転得者は財産を転得した者じゃ(民法424条の6第2項)。金銭そのものが転々と移る場面は想定しにくい——そう読めような。書かれた言葉の差を、そのまま受け取るのが確かじゃ。

2項:価額の償還も同じ

債権者が第四百二十四条の六第一項後段又は第二項後段の規定により受益者又は転得者に対して価額の償還を請求する場合についても、前項と同様とする。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

価額の償還は金銭の請求じゃからのう。自己に対して償還せよと求められる。

民法424条の8と同じく、1項が「返還」、2項が「価額の償還」——第二目の条文は、この二本立てを律儀に追いかけておるのう。

按分額の支払拒絶はできない

最高裁は、受益者が自らの債権額に対応する按分額の支払を拒めるかについて、次のように判断しました。

債権者が、受益者を被告として、債務者の受益者に対する弁済行為を取り消し、かつ、右取消にかかる弁済額の支払を求める詐害行為取消訴訟手続において、被告は、右弁済額を原告の債権額と自己の債権額とで按分し、後者に対応する按分額につき、支払を拒むことはできない。 (最判昭和46年11月19日・民集第25巻8号1321頁)

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

受益者も債権者なのに、按分してもらえないんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

要旨はそのとおり述べておる。訴訟手続の中で按分を主張して支払を拒むことはできぬ、と。

なお、この判決は改正前の事案じゃ。現行法では民法425条の3が受益者受益者じゅえきしゃ詐害行為によって利益を受けた者のこと(民法424条1項ただし書)。その行為の時に債権者を害することを知らなかったときは、取消請求を受けません。用語ページを見る →の債権の回復を定めておる。受益者の救済は、別の条文で用意されておるというわけじゃな。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

財産の返還の請求が金銭の支払又は動産の引渡しを求めるものであるときは、債権者は受益者に対してその支払又は引渡しを自己に対してすることを求めることができる。

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解答:◯

正しい記述です。民法424条の9第1項前段がそのとおり定めています。

司法書士正誤問題AI生成類題

受益者又は転得者が債権者に対してその支払又は引渡しをしたときは、債務者に対してその支払又は引渡しをすることを要しない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法424条の9第1項後段がそのとおり定めています。

司法試験正誤問題判例(最判昭和46年11月19日)

詐害行為取消訴訟において、被告である受益者は、取消しに係る弁済額を原告の債権額と自己の債権額とで按分し、後者に対応する按分額につき支払を拒むことはできない。

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解答:◯

正しい記述です。最判昭和46年11月19日(民集第25巻8号1321頁)の裁判要旨がそのとおり判示しています。

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