民法第314条・物権
民法第314条:賃借権の譲渡・転貸と先取特権
賃借権が譲渡・転貸されても、賃貸人の先取特権は譲受人・転借人の動産に及びます。転貸料などの金銭にも同様です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
賃借人が誰かに部屋を又貸ししたら、賃貸人の先取特権先取特権法律の規定に従い、債務者の財産から他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法303条)。当事者の契約ではなく法律によって当然に生じる担保物権です。用語ページを見る →はどうなるの? 荷物も入れ替わっちゃう。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法314条が備えておる。新しく入った者の動産にも及ぶ。抜け道を塞ぐ条文じゃ。
条文の内容
賃借権の譲渡又は転貸の場合には、賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及ぶ。譲渡人又は転貸人が受けるべき金銭についても、同様とする。
| 場面 | 及ぶ範囲 |
|---|---|
| 賃借権の譲渡 | 譲受人の動産 |
| 転貸 | 転借人の動産 |
| いずれも | 譲渡人又は転貸人が受けるべき金銭 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
お金にも及ぶんだ。転貸料とか、賃借権を売った代金とか?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文は「受けるべき金銭」としか書いておらぬ。じゃが場面から見て、そのあたりが想定されておると読めような。
民法304条の物上代位物上代位担保の目的物が売却・賃貸・滅失・損傷したときに、債務者が受けるべき金銭などに対して権利を行使すること(民法304条1項)。払渡し又は引渡しの前に差押えが必要です。用語ページを見る →と似た匂いがするじゃろう。物が形を変えても追いかけるという担保物権の発想じゃな。
「にも及ぶ」
条文の言葉は「にも及ぶ」です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
つまり、元の賃借人の動産に及ぶことは前提にしたうえで、そこに譲受人・転借人の動産が加わる、と読める。入れ替わりではなく上乗せじゃ。
もっとも、賃借人が出ていけば、その者の動産は部屋から消えるじゃろう。民法333条を思い出すのじゃ。第三取得者に引き渡された後は行使できぬ——動産の先取特権は、いつも「物がそこにあるか」に左右されるのじゃな。
抜け道を塞ぐ民法の条文
| 条文 | 場面 | 塞ぎ方 |
|---|---|---|
| 民法254条 | 共有者が持分を譲渡 | 特定承継人特定承継人売買や贈与のように、個々の権利を個別に受け継いだ人のこと。占有回収の訴えは、原則としてこの特定承継人に対しては提起できません(民法200条2項)。用語ページを見る →にも債権を行使できる |
| 民法286条 | 承役地の所有者が交代 | 特定承継人も義務を負担 |
| 民法314条 | 賃借権の譲渡・転貸 | 譲受人・転借人の動産にも及ぶ |
資格別の演習
賃借権の譲渡又は転貸の場合には、賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及ぶ。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法314条前段がそのとおり定めています。
賃借権の譲渡又は転貸の場合、賃貸人の先取特権は、譲渡人又は転貸人が受けるべき金銭についても及ぶ。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法314条後段がそのとおり定めています。
賃借権が譲渡された場合、賃貸人の先取特権は譲受人の動産にのみ及び、譲渡人の動産には及ばなくなる。
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解答:×
誤りです。民法314条は「譲受人又は転借人の動産にも及ぶ」としており、及ぶ範囲が加わる形で規定されています。