民法第577条・債権
民法第577条:抵当権等の登記がある場合の買主による代金の支払の拒絶
契約に適合しない抵当権の登記があるとき買主は抵当権消滅請求の手続が終わるまで代金の支払を拒めます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
買った家に、聞いてない抵当権の登記が残ってた。代金は払わなきゃダメ?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
待ってよい。 民法577条じゃ。抵当権消滅請求抵当権消滅請求抵当不動産の第三取得者が、代価等を提供して抵当権の消滅を求める手続(民法379条・383条)。主たる債務者・保証人及びその承継人はすることができません(民法380条)。用語ページを見る →の手続が終わるまで——期限がはっきり示されておる。
条文
1 買い受けた不動産について契約の内容に適合しない抵当権の登記があるときは、買主は、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、その代金の支払を拒むことができる。この場合において、売主は、買主に対し、遅滞なく抵当権消滅請求をすべき旨を請求することができる。
2 前項の規定は、買い受けた不動産について契約の内容に適合しない先取特権又は質権の登記がある場合について準用する。
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項前段 | 契約の内容に適合しない**抵当権抵当権目的物の占有を移さずに設定できる担保物権(民法369条以下)。先取特権の効力については、その性質に反しない限り抵当権の規定が準用されます(民法341条)。用語ページを見る →の登記**があるとき、抵当権消滅請求の手続が終わるまで代金の支払を拒める |
| 1項後段 | 売主は買主に対し、遅滞なく抵当権消滅請求をすべき旨を請求できる |
| 2項 | 先取特権先取特権法律の規定に従い、債務者の財産から他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法303条)。当事者の契約ではなく法律によって当然に生じる担保物権です。用語ページを見る →又は質権質権債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、その物について他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法342条)。設定には目的物の引渡しが必要です(民法344条)。用語ページを見る →の登記がある場合に準用 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
1項の後段が面白いね。売主のほうから「早く手続をしろ」って言えるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが読みどころじゃ。 買主が拒めるのは「手続が終わるまで」——なら、買主が動かねば代金は永久に入らぬ。
そこで売主に、抵当権消滅請求を促す権利を与えた——双方の利害を釣り合わせておる、と読める。
抵当権消滅請求は民法379条以下じゃ。 第三取得者第三取得者担保の目的物を取得した第三者のこと。先取特権は、債務者が目的である動産を第三取得者に引き渡した後は行使できません(民法333条)。用語ページを見る →である買主が使える道具じゃな。
民法570条との違い
| 民法570条 | 民法577条 | |
|---|---|---|
| 買主の行動 | 費用を支出して所有権を保存した後 | まだ支出していない段階 |
| 内容 | 費用の償還請求 | 代金の支払拒絶 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
自分で払って後から取り返すのが570条、先に止めておくのが577条——攻めと守りの二本立てじゃな。
資格別の演習
買い受けた不動産について契約の内容に適合しない抵当権の登記があるときは、買主は抵当権消滅請求の手続が終わるまで代金の支払を拒むことができる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法577条1項前段がそのとおり定めています。
民法577条1項の場合において、売主は買主に対し、遅滞なく抵当権消滅請求をすべき旨を請求することができる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法577条1項後段がそのとおり定めています。
民法577条1項の規定は、契約の内容に適合しない先取特権又は質権の登記がある場合についても準用される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法577条2項がそのとおり定めています。