民法第36条・総則
民法第36条:登記
法人及び外国法人は、この法律その他の法令の定めるところにより登記をするものとする、と定める一文です。何をいつ登記するかは、個別の法令に委ねられています。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
法人って、目に見えないよね。会社と契約するとき、その会社が本当にあるのかどうか、どうやって確かめるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこで登記登記不動産の権利関係を法務局の登記簿に記録して公示する制度。不動産の物権変動は、登記をしないと第三者に主張できません。用語ページを見る →じゃ。民法36条は、法人及び外国法人が登記をするものとする、と一言だけ定めておる。目に見えぬものを、見えるようにしておく——それが登記の役割じゃな。
条文の内容
法人及び外国法人は、この法律その他の法令の定めるところにより、登記をするものとする。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 法人法人生身の人間ではないのに、権利を持ち義務を負うことができる存在。法律の規定によらなければ成立しません(民法33条1項)。用語ページを見る →及び外国法人外国法人外国の法律によって成立した法人。日本では、国・国の行政区画・外国会社を除き、原則としてその成立が認許されません(民法35条1項)。用語ページを見る → |
| 根拠 | この法律その他の法令の定めるところにより |
| 効果 | 登記をするものとする |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
何を登記するかは書いてないんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこがこの条文の性格じゃ。民法33条2項が「設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる」と道を譲ったのと同じでな。登記すべき事項も、それぞれの法令が決めるという構えなのじゃ。
民法の中で「その他の法令」にあたるもの
民法自身が登記事項を書き並べている場面が、すぐ隣にあります。民法37条です。同条1項は、外国法人(民法35条1項ただし書に規定する外国法人に限る)が日本に事務所を設けたときに登記すべき事項を、6つ列挙しています。
| 条文 | 登記について定めていること |
|---|---|
| 民法36条 | 法人及び外国法人は、法令の定めるところにより登記をする(総則的な一文) |
| 民法37条 | 外国法人が日本に事務所を設けたときの登記事項・期間・効果 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
つまり36条は宣言、37条が実際の中身の一例じゃ。内国の法人については、民法の第三章に具体的な登記事項の規定は残っておらぬ——民法38条から84条までが削除されておるからのう。会社なら会社法、一般社団法人なら一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)が、それぞれ定めておる。
「するものとする」という語尾
条文は「登記をするものとする」と書いています。「登記をしなければならない」とは書いていません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
なんだか、ふんわりした言い方だね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
この条文自体が総則的な宣言じゃからのう。実際に「しなければならない」と義務づけるのは、それぞれの法令の役目じゃ。現に民法37条1項は「登記しなければならない」と、はっきり書いておる。同条8項は、登記を怠った外国法人の代表者に過料まで用意しておるぞ。
登記が果たす役割
登記登記不動産の権利関係を法務局の登記簿に記録して公示する制度。不動産の物権変動は、登記をしないと第三者に主張できません。用語ページを見る →は、不動産の物権変動の場面でも登場します(民法177条)。共通しているのは、外から確かめられる形にしておくという働きです。
| 場面 | 登記されるもの |
|---|---|
| 民法36条・37条 | 法人・外国法人の存在や、その基本的な事項 |
| 民法177条 | 不動産に関する物権の得喪及び変更 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
相手が本当に存在するのか、誰が代表者なのか——それが調べられるからこそ、安心して取引ができる。取引の安全取引の安全外から見える権利関係を信じて取引した人が、あとから覆されて損をしないように保護すること。当事者本人の保護とぶつかったとき、どちらを優先するかが問題になります。用語ページを見る →を支える仕掛けじゃな。
資格別の演習
法人及び外国法人は、この法律その他の法令の定めるところにより、登記をするものとする。
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解答:◯
正しい記述です。民法36条がそのとおり定めています。対象が法人法人生身の人間ではないのに、権利を持ち義務を負うことができる存在。法律の規定によらなければ成立しません(民法33条1項)。用語ページを見る →と外国法人外国法人外国の法律によって成立した法人。日本では、国・国の行政区画・外国会社を除き、原則としてその成立が認許されません(民法35条1項)。用語ページを見る →の双方である点を確認してください。
民法36条は、法人が登記すべき事項を具体的に列挙している。
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解答:×
誤りです。民法36条は「この法律その他の法令の定めるところにより、登記をするものとする」と述べるにとどまり、登記事項を列挙していません。具体的な登記事項を列挙しているのは民法37条1項(外国法人が日本に事務所を設けたときの6つの事項)であり、内国の法人については会社法や一般社団法人及び一般財団法人に関する法律などの個別の法令が定めています。
民法36条は法人及び外国法人が登記をするものとすると定めるにとどまり、登記の期間や懈怠の効果は、民法37条など他の規定に委ねられている。
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解答:◯
正しい記述です。民法36条は総則的な一文であり、たとえば民法37条1項は外国法人が日本に事務所を設けたときに三週間以内に登記しなければならないと定め、同条8項は登記を怠った代表者を五十万円以下の過料に処すると定めています。