民法第229条・物権
民法第229条:境界標等の共有の推定
境界線上の境界標・囲障・障壁・溝・堀は、相隣者の共有と推定されます。しかもこの共有物は、分割を請求できません(民法257条)。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
境界線の上に立っている塀は、誰のものなの? 半分ずつ?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法229条が答えを用意しておる。相隣者の共有共有一つの物を複数人で所有すること。各共有者は共有物の全部について、その持分に応じた使用ができます(民法249条1項)。用語ページを見る →に属するものと推定推定一応そうであるものとして扱い、争う側に反対の証明を求めること。「みなす」と違い、反証があれば覆ります。用語ページを見る →する、じゃ。
条文の内容
境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する。
推定の対象は5つです。
| # | 条文の言葉 |
|---|---|
| ① | 境界標境界標土地の境界を示すために設ける目印のこと。隣地の所有者と共同の費用で設けることができます(民法223条)。用語ページを見る → |
| ② | 囲障囲障隣り合う建物の境界に設ける囲いのこと。協議が調わないときは、板塀や竹垣その他これらに類する材料で高さ2メートルのものとされます(民法225条2項)。用語ページを見る → |
| ③ | 障壁障壁隣り合う土地や建物を隔てる壁のこと。境界線上に設けたものは相隣者の共有に属すると推定されます(民法229条)。用語ページを見る → |
| ④ | 溝 |
| ⑤ | 堀 |
いずれも「境界線上に設けた」ものであることが前提です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「推定する」だから、違う証拠があればひっくり返るんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。民法186条1項や188条と同じ推定推定一応そうであるものとして扱い、争う側に反対の証明を求めること。「みなす」と違い、反証があれば覆ります。用語ページを見る →じゃ。一方の費用だけで設けたことが証明されれば、覆り得ると読める。
そして例外を、次の民法230条が正面から置いておるぞ。
民法230条の例外
一棟の建物の一部を構成する境界線上の障壁については、前条の規定は、適用しない。
建物の一部をなす障壁——つまり外壁のようなものには、共有の推定が及びません。
分割を請求できない共有
民法257条は、次のように定めています。
前条の規定は、第二百二十九条に規定する共有物については、適用しない。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
民法256条は「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる」だったよね。それが使えないんだ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
境界の目印を分割してしもうては、境界そのものが分からなくなる。共有でありながら、分けられない共有じゃな。民法229条と257条は、セットで覚えておくとよい。
資格別の演習
境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法229条がそのとおり定めています。
民法229条に規定する共有物についても、各共有者はいつでもその分割を請求することができる。
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解答:×
誤りです。民法257条は「前条(=民法256条)の規定は、第二百二十九条に規定する共有物については、適用しない」と定めています。
一棟の建物の一部を構成する境界線上の障壁についても、民法229条による共有の推定が及ぶ。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法230条1項は、この場合について「前条の規定は、適用しない」としています。