民法第379条・物権
民法第379条:抵当権消滅請求
第三取得者の側から抵当権の消滅を求められます。代価弁済と違い、買った人が自ら動ける制度です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
代価弁済代価弁済抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を弁済すること。これにより抵当権はその第三者のために消滅します(民法378条)。用語ページを見る →(民法378条)は抵当権者が請求してくれないと使えないんだよね。買った側からは何もできないの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
できる。民法379条の**抵当権消滅請求抵当権消滅請求抵当不動産の第三取得者が、代価等を提供して抵当権の消滅を求める手続(民法379条・383条)。主たる債務者・保証人及びその承継人はすることができません(民法380条)。用語ページを見る →じゃ。第三取得者第三取得者担保の目的物を取得した第三者のこと。先取特権は、債務者が目的である動産を第三取得者に引き渡した後は行使できません(民法333条)。用語ページを見る →が自ら動ける**制度じゃぞ。
条文の内容
抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 抵当不動産抵当不動産抵当権の目的である不動産のこと。民法370条が条文中でこの語を定義しています。用語ページを見る →の第三取得者 |
| どのように | 民法383条の定めるところにより |
| 効果 | 抵当権消滅請求をすることができる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
手続は民法383条を見るんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。379条は入口を開くだけで、中身は383条以下に譲っておる。民法197条が「次条から第二百二条までの規定に従い」と占有の訴えの入口を開いておったのと、同じ作りじゃな。
請求できない者
| 条文 | 誰が請求できないか |
|---|---|
| 民法380条 | 主たる債務者・保証人・これらの者の承継人 |
| 民法381条 | 抵当不動産の停止条件付第三取得者(停止条件の成否が未定である間) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
主たる債務者や保証人はダメなんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
当然といえば当然じゃ。その者たちは、そもそも債務の全額を払う義務を負っておる。代価だけ払って抵当権を消せるなら、義務から逃げる道になってしまう。
381条の停止条件停止条件成就するまで法律行為の効力の発生を止めておく条件。停止条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を生じます(民法127条1項)。用語ページを見る →付第三取得者も同じ発想じゃな。まだ本当に取得するか分からぬ者に、消滅請求までさせるわけにはいかぬ。
時期の制限
民法382条は「抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならない」と定めます。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
差押えの効力が発生する前——期限が切られておる。競売が動き出してから消滅請求では遅い、ということじゃな。
第二節における位置
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 民法378条 | 代価弁済 |
| 民法379条 | 抵当権消滅請求(入口) |
| 民法380条・381条 | 請求できない者 |
| 民法382条 | 請求の時期 |
| 民法383条 | 請求の手続 |
| 民法384条 | 債権者のみなし承諾 |
| 民法385条 | 競売の申立ての通知 |
| 民法386条 | 請求の効果 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
8か条をかけて、ひとつの制度を組み立てておる。抵当権が付いたままの不動産を、どう流通させるか——民法が真剣に取り組んだ跡じゃな。
資格別の演習
抵当不動産の第三取得者は、民法383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法379条がそのとおり定めています。
主たる債務者及び保証人も、抵当不動産を取得したときは抵当権消滅請求をすることができる。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法380条は「主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない」と定めています。
抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法382条がそのとおり定めています。