民法第424条の2・債権
民法第424条の2:相当の対価を得てした財産の処分行為の特則
相当の対価を得ていても、3つの要件をすべて満たせば取り消せます。隠匿等の処分がキーワードです。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
ちゃんとした値段で売ったなら、財産は減ってないよね? それでも取り消されるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
鋭い問いじゃ。民法424条の2が答えておる。原則は取り消せぬ。じゃが3つの要件がそろえば別——平成29年改正で新設された条文じゃぞ。
条文の内容
債務者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、受益者から相当の対価を取得しているときは、債権者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、その行為について、詐害行為取消請求をすることができる。
| # | 要件 |
|---|---|
| 一 | その行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、債務者において隠匿、無償の供与その他の債権者を害することとなる処分(=隠匿等の処分)をするおそれを現に生じさせるものであること |
| 二 | 債務者が、その行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと |
| 三 | 受益者受益者詐害行為によって利益を受けた者のこと(民法424条1項ただし書)。その行為の時に債権者を害することを知らなかったときは、取消請求を受けません。用語ページを見る →が、その行為の当時、債務者が隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「いずれにも該当する場合に限り」——3つ全部そろわないとダメなんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが要じゃ。ハードルは高い。
相当の対価を得ておるのじゃから、財産の総額は減っておらぬ。それでも取り消すには、財産の姿が変わって隠しやすくなった(1号)、隠す気があった(2号)、相手もそれを知っていた(3号)——ここまで必要じゃ。
「財産の種類の変更」
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
1号の言葉をよう見よ。**「不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更」**じゃ。
不動産は動かせぬし、登記で追える。じゃが金銭になれば消えてしまう。同じ額でも、隠しやすさが変わる——1号はそこを捉えておる。
そして「おそれを現に生じさせる」——抽象的な危険では足りぬ、という書きぶりじゃな。
民法424条との関係
| 民法424条1項 | 民法424条の2 | |
|---|---|---|
| 場面 | 債権者を害することを知ってした行為一般 | 相当の対価を得てした財産の処分行為 |
| 受益者の主観 | 害することを知らなかったなら取り消せない | 債務者の隠匿等の処分の意思を知っていたことが要件 |
| 要件の数 | — | 3つすべて |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
424条より要件が細かい!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
特則じゃからのう。原則からすれば取り消しにくい類型について、取り消せる場合を絞って明示する——それが特則の役目じゃ。
民法424条の3(担保の供与等)、424条の4(過大な代物弁済等)も同じ構えじゃ。424条の2から424条の4までが、3つの特則として並んでおるぞ。
資格別の演習
債務者が財産を処分する行為をした場合において受益者から相当の対価を取得しているときは、債権者は民法424条の2各号の要件のいずれにも該当する場合に限り、詐害行為取消請求をすることができる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法424条の2柱書がそのとおり定めています。
民法424条の2による詐害行為取消請求には、受益者がその行為の当時、債務者が隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたことが必要である。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法424条の2第3号がそのとおり定めています。
相当の対価を得てした財産の処分行為については、民法424条の2各号の要件のいずれか一つに該当すれば詐害行為取消請求をすることができる。
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解答:×
誤りです。民法424条の2柱書は「次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り」としています。