民法第190条・物権

民法第190条:悪意の占有者による果実の返還等

悪意の占有者は果実を返さなければならず、すでに消費してしまった分も代価で償います。善意の占有者を定めた民法189条と正面から対になる条文です。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

善意なら果実をもらえるんだったよね(民法189条1項)。じゃあ、他人の物だと知っていたら?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

民法190条が、そちらを引き受けておる。返せ、そして食べてしもうた分は代金で払え——なかなか厳しいぞ。

1項:返還と償還

悪意の占有者は、果実を返還し、かつ、既に消費し、過失によって損傷し、又は収取を怠った果実の代価を償還する義務を負う。

義務の中身は2つに分かれます。

義務 対象
返還 現に手元にある果実
代価の償還 ① 既に消費した果実
過失によって損傷した果実
収取を怠った果実

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「収取を怠った果実」って、採らなかったぶんまで払うの!?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

条文にそう書いてある。実らせておきながら放っておいて腐らせた——それも償えということじゃ。悪意悪意あくいある特定の事情や事実を『知っている』こと。いじわるな心という意味ではありません。用語ページを見る →の占有者に対しては、果実を得られたはずの状態まで戻すのが1項の構えじゃな。

なお、条文は「過失によって損傷し」と、損傷についてだけ過失を要求しておる。消費と収取懈怠にはその限定がない。条文の言葉の置き場所を見るのじゃぞ。

2項:暴行・強迫・隠匿による占有者

前項の規定は、暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をしている者について準用する。

準用される者 条文の言葉
暴行によって占有をしている者
強迫によって占有をしている者
隠匿によって占有をしている者

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

この人たちは、善意でも悪意でも関係なく1項が使われるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

条文は主観に触れておらぬ。占有の始め方そのものを見て、悪意の占有者と同じ扱いにしておる。

思い出してみよ。民法186条1項は「平穏に、かつ、公然と」占有すると推定しておった。暴行・強迫は平穏を、隠匿は公然を欠く。推定の裏返しが、ここで顔を出すのじゃよ。

民法189条との対照

善意の占有者(民法189条) 悪意の占有者(民法190条)
果実 取得する 返還する
消費した果実 代価を償還
損傷した果実 過失によるものは代価を償還
収取を怠った果実 代価を償還

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

悪意の占有者は、果実を返還し、かつ、既に消費した果実の代価を償還する義務を負う。

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解答:

正しい記述です。民法190条1項がそのとおり定めています。

司法書士正誤問題AI生成類題

悪意の占有者は、収取を怠った果実についても、その代価を償還しなければならない。

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解答:

正しい記述です。民法190条1項は「収取を怠った果実の代価を償還する義務を負う」と明記しています。現に得た果実だけが対象ではありません。

司法試験正誤問題AI生成類題

暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をしている者については、民法190条1項の規定が準用される。

解答・解説を見る

解答:

正しい記述です。民法190条2項がそのとおり定めています。占有の始め方に着目した規定であり、条文は主観的態様に触れていません。

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