民法第309条・物権
民法第309条:葬式費用の先取特権
葬式の費用のうち相当な額に先取特権が認められます。債務者自身のためだけでなく、扶養すべき親族の葬式にも及びます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
お葬式の費用にも先取特権先取特権法律の規定に従い、債務者の財産から他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法303条)。当事者の契約ではなく法律によって当然に生じる担保物権です。用語ページを見る →があるの? ちょっと意外……。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法309条じゃ。一般の先取特権一般の先取特権債務者の総財産について成立する先取特権(民法306条)。共益の費用・雇用関係・子の監護の費用・葬式の費用・日用品の供給の5つの原因によって生じます。用語ページを見る →の第4順位(民法306条4号)でな。お金がなくとも弔われるように、という配慮と読める。
1項:債務者のための葬式
葬式の費用の先取特権は、債務者のためにされた葬式の費用のうち相当な額について存在する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象 | 債務者のためにされた葬式の費用 |
| 範囲 | そのうち相当な額 |
2項:扶養すべき親族のための葬式
前項の先取特権は、債務者がその扶養すべき親族のためにした葬式の費用のうち相当な額についても存在する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象 | 債務者がその扶養すべき親族のためにした葬式の費用 |
| 範囲 | そのうち相当な額 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
1項と2項で、誰の葬式かが違うんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そうじゃ。1項は債務者本人の葬式、2項は債務者が扶養すべき親族の葬式。
1項をよく考えてみよ。債務者本人が亡くなった葬式の費用じゃ。その費用を立て替えた者が、債務者の財産から先に受け取れる、ということになろう。立て替える者がおらねば、弔いすらままならぬからのう。
「相当な額」
1項も2項も「相当な額」に限っています。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ここは民法308条の2と同じ絞り方じゃな。際限なく豪華にしてよいわけではない。他の債権者を押しのけて優先されるのじゃから、そこには限度がある——条文はそう告げておる。
一般の先取特権の5つを並べて
| 順位 | 原因 | 条文 | 限定 |
|---|---|---|---|
| 1 | 共益の費用共益の費用各債権者の共同の利益のためにされた債務者の財産の保存・清算・配当に関する費用(民法307条1項)。一般の先取特権のなかで第1順位に置かれます。用語ページを見る → | 民法307条 | 共同の利益のため |
| 2 | 雇用関係 | 民法308条 | (限定なし) |
| 3 | 子の監護の費用 | 民法308条の2 | 相当な額 |
| 4 | 葬式の費用 | 民法309条 | 相当な額 |
| 5 | 日用品の供給 | 民法310条 | 最後の6か月間 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
こう並べると、それぞれの絞り方が違うのがよく分かる。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
限定の言葉こそが、その条文の性格を表しておる。5つまとめて表で覚えるのが早道じゃ。
資格別の演習
葬式の費用の先取特権は、債務者のためにされた葬式の費用のうち相当な額について存在する。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法309条1項がそのとおり定めています。
葬式の費用の先取特権は、債務者がその扶養すべき親族のためにした葬式の費用のうち相当な額についても存在する。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法309条2項がそのとおり定めています。
葬式の費用の先取特権は、実際に支出された葬式の費用の全額について存在する。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法309条は1項・2項とも「相当な額について存在する」としています。